『弘兼流 70歳からの楽しいヨレヨレ人生』(弘兼 憲史) の中で著者は
親友というのは、一生付き合っていける人、肉親よりもいろいろと相談できる相手、ということになりますが、長い目で人生を見ると、そういう人間はなかなかいるものではありません。
と述べています。
著者は「親友は一生付き合える人であり、肉親以上に相談できる相手」と語るのを読んで、胸にすとんと落ちるものがありました。
私たちは人生のどこかで、「本音をさらけ出せる相手」は意外と多くないことに気づきます。
人が心を開ける関係は選ばれたごく少数であり、それを「親密圏」と呼ぶことがあります。
人間関係は広さではなく深さが幸福感を左右すると言われるゆえんです。
そして厄介なのは、親友は「探しても見つからない」こと。
多くの場合、長い時間をかけて少しずつ築かれていきます。
人生の変化や環境の変わり目で関係が自然と離れてしまうこともあるし、逆に思いがけない出会いから深い信頼が芽生えることもあります。
もし今、「自分には親友がいない」と感じている人がいたとしても、それは決してネガティブなことではありません。
人生の後半になってからの出会いのほうが、価値観が成熟している分だけ深く、静かに続く関係になる傾向も指摘されています。
つまり、親友は「若い頃に作り終えるもの」ではなく、一生を通じて更新されていく存在でもあるのです。
著者の言葉は、
「無理に親友を作ろうとしなくてもいい。けれど、誠実さと好奇心を忘れずに歩いていれば、人生はあなたに必要な出会いを必ず届けてくれる」
といったメッセージを含んでいるように感じます。
