『お金の不安という幻想』(田内学)の中で著者は
6歳未満の子どもを育てている家庭では、妻が家事や育児に使う時間は、1日7時間34分。一方、夫はわずか1時間23分だ。日本の女性は、他の先進国の女性よりも1~2時間長く無償労働を担っており、男性は逆に1~2時間も短い。この差は1日当たりのものだ。1年続けば膨大な時間になる。
「もっと女性に働いてもらう」と言う前に、すでに多くの女性が〝働いている〟事実にまず目を向けるべきではないだろうか。
と述べています。
1日7時間34分と1時間23分。この数字の差は、言葉で説明するより、はるかに雄弁です。
著者が指摘するのは、「無償労働」という視点です。家事や育児は、お金として換算されませんが、れっきとした労働です。それを日本の女性は、他の先進国の女性よりも長く担っているという現実があります。
「女性にもっと活躍してもらいたい」という言葉をよく耳にします。しかし著者は、その前にまず、すでに多くの女性が家庭の中で長時間働いているという事実を直視すべきだと言います。見えていないだけで、労働はそこに確かに存在している、ということです。
社会全体の生産性や働き方を語るとき、こうした「見えない労働」をどう評価し、どう分かち合うかという視点が、これからますます重要になってくるのだと感じました。



