週1冊、地味に続ける読書ブログ

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30年の読書が教えてくれたこと

『ブレインメンタル強化大全』(樺沢紫苑)の中で著者は

 

◎朝散歩は、何分するのがいいのか 結論からいうと、「予防・健康」目的の人は、15分。「治療・改善」目的の人は、30分を目標に歩いてください。

 

と述べています。

 

この数字を見て、思わず「ちょうど30分だ」とつぶやきました。

私の通勤は、電車を含めて片道1時間ほどです。そのうち歩いている時間が、合わせて30分ほどあります。駅までの道、乗り換え、職場までの道。細切れではありますが、足した結果がちょうどその数字でした。

 

選んでそうしたわけではありません。たまたま、そういう場所に職場があり、そういう経路になっただけです。

 

ただ、本を読んでから、この30分の見え方が変わりました。

これまでは「通勤時間」でした。移動のために必要な時間であり、どちらかといえば差し引かれる時間です。

 

けれど著者の言う基準に照らせば、これは治療・改善レベルの朝散歩ということになります。意識しなくても、毎朝それが手に入っている。

同じ30分でも、「仕方なく歩いている」のと「これは自分への投資だ」と思って歩くのとでは、まるで違います。前者は消耗ですが、後者は積み上げです。

 

環境は、自分で全部選べるものではありません。たまたまそうなった、ということの方が多いでしょう。けれど、与えられた環境をどう受け取るかは、自分で決められます。

恵まれた環境だと思うようにする。そう決めてしまえば、同じ道のりが違って見えてきます。

月曜の朝も歩きます。今度は、少し胸を張って歩けそうです。 

 

 

『なぜあの人はいつも上機嫌なのか』(和田秀樹)の中で著者は

 

かりにあなたが四十代だとします。まだまだ感情を老け込ませる年齢ではありません。五十代だって六十代だって同じです。これだけ人生のサイクルが長くなったら、感情の若々しさを保つ人でなければ最後まで人生を楽しむことはできません。

 

と述べています。

 

「感情の若々しさ」という表現に、少し立ち止まりました。

体の老化には誰もが気を配ります。運動や食事に気をつけている人は多いでしょう。けれど感情が老け込むという発想は、あまり意識されていないのではないでしょうか。

 

感情の老化とは、おそらく「新しいことに心が動かなくなること」だと思います。面白そうだと思わない。やってみたいと感じない。知らないものに出会っても、調べてみる気にならない。そうなった時点で、年齢に関係なく老け込みが始まっているのかもしれません。

 

私が意識しているのは、人と会う機会を絶やさないことです。オンラインコミュニティに参加しており、月に1回はリアルのオフ会に足を運んでいます。そこで出会うのは、さまざまな年代の方々です。

 

正直なところ、毎回気楽に出かけているわけではありません。仕事で疲れている日もありますし、知らない人ばかりの場に行くのは、今でも少し勇気がいります。若い方の会話についていけず、後で調べ直すことも珍しくありません。

 

それでも足を運ぶのは、帰り道にいつも何かを持ち帰っているからです。知らなかった世界の話、自分にはなかった視点。そのたびに、考えが固まりかけていたことに気づかされます。

 

感情の若々しさは、放っておいて保てるものではないのだと思います。少し無理をして外に出る。分からないことを恥ずかしがらずに聞く。その繰り返しの先に、かろうじて保てるものなのでしょう。

まだまだ道の途中ですが、心が動く方へ歩いていきたいと思っています。

 

 

『ウォーレンバフェットの生声 本人の発言だからこそ見える真実』(ディヴィット・アンドリューズ)の中でウォーレン・バフェットは

 

あなたにとって最高の投資先はあなた自身です。それに勝るものはありません。

 

と述べています。

 

この言葉を読んで、思わず自分の歩みを振り返りました。

私はNISAで積み立てを続けています。少額ですが、続けていること自体に意味があると思っています。ただ、バフェットが言う「最高の投資先」は、そこではないというのです。

自分に投資してきたか、と問われると、正直あまり意識したことはありませんでした。ただ、続けてきたことはいくつかあります。

 

まず、体づくりです。朝は自重トレーニングと情報収集にあてています。通勤では早歩きを心がけ、階段を見たら迷わず使う。食事のバランスを整え、睡眠時間もしっかり確保する。どれも地味なことですが、続けてみると体調が安定し、それが日々の判断力や集中力を支えてくれていると感じます。

 

次に、資格への挑戦です。取得そのものより、挑戦し続けている姿勢の方が伝わるものだと実感しました。面接の場で、学び続けていることを自分の言葉で語れたのは、大きな支えになりました。

 

そして、AIの活用です。新しい技術が出てきたとき、様子見をする選択肢もありました。けれど使ってみると、できることが確実に広がる。立ち止まらなかったことが、結果として差になっている気がします。

 

最後に、このブログです。読んだ本について、自分の言葉で書く。地味な作業ですが、続けるうちに「考えを整理して伝える」ことが習慣になりました。

 

面白いもので、これらが思わぬ場面で効いてきました。面接で自分の経験を筋道立てて話せたのも、新しい職場で仕事を早く飲み込めているのも、振り返れば日々の積み重ねのおかげだと思います。

 

株価は下がることがあります。会社の状況も変わります。けれど、体に染み込んだ習慣と考える力だけは、誰にも奪われません。

一番大きな含み益を抱えているのは、証券口座ではなく自分自身なのかもしれません。

 

 

 

 

『仕事も人生もうまくいく! 勝間式 タイムパフォーマンスを上げる習慣』(勝間和代)の中で著者は

 

これからの時代、人生100年、120年が当たり前の、超高齢化社会がすぐ目の前にやってきています。60~65歳という年齢は人生の折り返し地点に過ぎません。その時点で、これまでの人生のうち3分の1の時間を費やしてきた仕事という時間を放棄してしまうほうが、むしろ問題なのではないでしょうか。

 

と述べています。

 

「折り返し地点」という言葉に、思わず顔がほころびました。

実はつい先日、転職して新しい職場に移りました。この年齢での就職活動は簡単ではありません。ただ、やみくもに動いたわけではありませんでした。

 

まず、民間企業は年齢の壁が厚いと判断し、公的機関に的を絞りました。転職エージェントにも登録しましたが、反応はほとんどありません。そこで方針を変え、市が運営するキャリアサポートでコンサルティングを受け、自分に合った求人票を一緒に探していただき、ハローワークで紹介状を出してもらう。この流れにたどり着くまでが、一つの戦略でした。

 

振り返って思うのは、支えになったのは特定のスキルではなかったということです。40年間の職業経験、挑戦し続けようとする気持ち、そして30年の読書。この三つがあったからこそ、自分に合った道筋を自分の頭で組み立てることができました。誰かに教わった型ではない、唯一無二の戦略です。それが功を奏したのだと思っています。

 

入社して10日ほど経ちました。直近9年の総務の経験がそのまま活きる場面が多く、先輩と一緒に業務を組み立てていく時間に、すでに面白さを感じ始めています。

フルタイムで働く充実感は、やはり大きいものです。通勤も、体を鍛える機会だと思えば気持ちがいい。

 

仕事という時間を手放さなくてよかった。今は素直にそう感じています。折り返し地点から先を、どう走るか。考えるだけでわくわくします。

 

 

 

『LIFE SHIFT』(リンダ・グラットン)の中で著者は

 

多くの人が100年ライフを生きる時代に、どのような変化が起きるのかを論じてきた。最も切実なのはお金の問題だが、金額に換算できない無形の資産に目を向けると、本当に重要なことが見えてきた。

 

経済学と心理学の研究によれば、長寿化時代には、人生の設計と時間の使い方を根本から見直す必要があるのだ。そうすることではじめて、長寿を厄災ではなく、恩恵にできる。

 

と述べています。

 

「長寿を厄災ではなく、恩恵に」という言葉を読んで、自分は幸いにも、ずっと恩恵の側で捉えてきたと感じました。

その理由は、はっきりしています。30年間の読書です。

 

本から学んだのは、知識そのものよりも「知って、実行することの大切さ」でした。健康について読み、朝4時30分に起きて20分の自重トレーニングを始めました。歩くことの効用を知り、通勤で1万歩を意識し、エレベーターより階段を選ぶようになりました。食事は「まごにやさしい」を意識して、いろいろなものをバランスよく食べています。

 

続けてきた結果、同世代と比べても、細胞レベルで体を維持できている実感があります。体調がいいと、気持ちも自然と前を向きます。

読書は、働き方の面でも力になりました。雇用継続が難しくなる年代を迎え、転職に挑戦しましたが、やみくもに動いたわけではありません。自分の強みをどう伝えるか、どの分野なら経験が活きるか、どんな準備が必要か。本で学んだことをもとに戦略を立て、実際に実現することができました。この年齢での転職は簡単ではありませんが、正しく考え、動けば道はあると実感しています。

 

NISAでの積み立て、資格の取得、AIツールの活用、オフ会でさまざまな年代の方と交流すること。知識と経験を積み重ねながら、挑戦を続けられる毎日は、とても充実しています。

著者が言う「無形の資産」とは、まさにこうしたものではないでしょうか。健康な体、続けてきた習慣、学び続ける姿勢、人とのつながり。どれも通帳には載りませんが、間違いなく人生を支えてくれています。

 

未来は明るい。そう感じられること自体が、30年の読書がくれた最大の資産なのだと思います。