前回の記事は、こちら─、
そもそも、幼少期にクラシックピアノから、
入った私にとって─、
ピアノとは、二段構成の楽譜を弾くものと、
思い込んでいた。
しかし─、
"それ以外の弾き方" もあるのだということを、
知ったのは、ちょうど学生の、この頃だった。
それは、コードを用いた弾き方である。
最近では、コードで弾くというやり方は─、
ネットや書籍などでも、よく紹介されているので、
ご存じの方も多いかと思うが、
当時の私にとっては、まさに─、
知っている者にとっては何でもないことだが、
知らない者にとっては、摩訶不思議!?
そんな、音楽の "マジックのカラクリ" だった。
音楽のコード理論の話は、ここでは割愛するが、
要は─、
3つ、ないし4つほどの、
音の組み合わせ方が決まっており、
その組み合わせの中で、
自由に音を当てはめれば良いのだ。
ちょっとコツを覚えるだけで、
そこそこ聴き栄えのする伴奏になる。
そして、さらに─、
好みに応じて、コードの音を付け足したり、
または、省いたりするなどの "加工" を施して行く。
これは、大変、楽しい作業である。
まるで、パーツを組み合わせて思い通りの物を、
作り上げて行くレゴのようだ。
ジャズピアニストの中には、
楽譜が読めない人もいるそうだが─、
このように、コードを活用しているのだ。
それなら、楽譜が読めなくても、
演奏ができる理由に合点がいく。
もちろん、見よう見まねで付けた伴奏など、
まだまだ稚拙、極まりない。
もっともっと、オシャレにしたくなる。
だから─、
他の曲を聴く場合でも、
どういった伴奏の付け方をしているのか?
という視点 ( 聴点?) で、耳を傾けるようになる。
やがて─、
単に好みのアーティストの曲を楽しんで、
聴いているだけの、周囲の友人とは、
異なる視点で音楽を聴いている、
自分がいることに気付く。
もはや、いちリスナーではない。
"物作り" を始めているのだ。