危険なビーナス
東野圭吾原作
妻夫木聡×吉高由里子 共演
動物病院で働く惚れっぽい伯郎の前に弟の妻・楓が訪ねてきます。
弟が結婚していたのも知らなかった伯郎だが弟が行方不明だと聞かされ更に驚きます。
遺産目当ての事件ではないかと楓は疑い、資産家である親族会に顔を出すから一緒に来てくれと伯郎は頼まれ協力するが徐々に彼女に惹かれていってしまいます。
事件を追ううちに不可解な出来事で亡くなった母親の真相も明らかに・・・

ネタバレあらすじ
家庭環境
動物病院院長代理の手島伯郎は矢神楓と名乗る女性から電話があります。
楓は弟の明人の妻であるらしく結婚していたのかと初めて知るが弟が行方不明だと聞かされ驚きます。
伯郎は幼い頃に画家だった父親を脳腫瘍で亡くし、母親の禎子が総合病院の御曹司である矢神康治と再婚し明人が生まれたので弟とは父親が違います。
康治の両親が暮らす豪邸に暮らすことになるのだが祖父の康之介が金持ちであるため全員が媚びている環境でした。
豪邸の中で出会う勇磨から「弟が生まれ後継ぎが出来たから伯郎やお前の母親の役目も終わったな」などと言われていました。しかし明人は徹底して後継ぎとして教育されていたが別の道に行きました。
母親の禎子が事故で亡くなった時に伯郎は居心地が悪いので相続権などいらないからと告げ旧姓の手島を選びました。
サヴァン症候群
明人は置き手紙を残していたのでだったら心配ないと伝えるが義父の康治が癌で入院しているらしく付き添いを楓から頼まれます。IT関係の仕事をしている明人が急遽シアトルから帰国したのはそのためでもありました。
母親の七回忌の時から10年会っていなかったので断ろうとしたが「大学まで行かせてもらったのに?」と聞かれ渋々受け入れます。
意識朦朧とする康治は「明人に……背負う必要はないと…」とつぶやくが伯郎には意味がさっぱり分かりませんでした。
康治はサヴァン症候群についての研究をしていて遺品として残された一枚の絵は伯郎の父・一清が描いたものでした。
父親は健常者なはずだと思うが未完成の幾何学模様のような絵を思い出します。静物画を得意としていた一清は脳腫瘍を発症してから幾何学模様のような絵を描き出したので伯郎はその時5歳だったが何となく覚えていました。
遺産目当て??

これから親族で集まり遺産問題について話し合うから明人の代理として同席してくれと楓に頼まれた伯郎は断るが、美人の楓に頼まれたこと、また母親の遺品もあると言われ引き受けます。
・康之介は2回結婚しており養子も2人いる。
・佐代は康之介の愛人で養子、その子供が憎たらしい勇磨。
・長弟・研究者の矢神牧雄。
・法定相続人は実子、養子合わせて6人。
・明人に惹かれる姪の支倉百合華。
亡くなった康之介の遺言状には個人資産はすべて明人に譲ると書かれているので楓は妻としてお受けすると皆に伝えます。
母親の不可解な最期
伯郎が大学生の頃に母親は亡くなりました。
荷物の整理をしてくると実家に出かけた禎子が戻らないので様子を見に行ったところ風呂場の湯船に浸かっている状態で発見されたのです。
湯船の中で足を滑らせ頭を強打し、風呂で溺死した事故だと警察に判断されたが当時明人は「母親がドアチェーンをしないのはおかしい」とずっと言っていた事を伯郎は思いだします。
明人の家に実家の鍵があったので楓と一緒に行ってみると家はそのままになっており明人が来ていたと管理人から知らされます。
もしかして、母親は事故死ではなく殺人で明人は証拠として残していたのではと推理します。また幾何学模様のような絵を見たいと思い伯母の順子と数学学者の叔父・憲三の家を訪ねます。
連絡していたこともあり順子は父親が描いた絵を用意してくれていたが幾何学模様のような絵はそのなかにありませんでした。
疑惑
憎たらしい性格の勇磨の母親・佐代(康之介の愛人で養子)は母親と同じ高校で同級生でした。父親が意識朦朧としているときクラブのホステスをしていた佐代が康之助に頼み康治を紹介したと知ります。
当時の康治は脳に電気を流すことで痛みを和らげたり精神的な疾患を改善する研究をしていたので伯郎は人体実験を疑います。
また禎子が「康治から貴重な物を貰ったから明人が相続人にならなくてもいい」と発言していたと佐代から聞き病院に行くが康治は「明人…恨むな」とまた意味不明な事を言います。
伯郎は康治が持っていた絵と同じものをネットで見付け投稿者に会いに行くと脳に損傷を受けてから急に描き始めたことを知るが後天性サヴァン症候群の研究のため康治が訪ねてきた事を知ります。・・・やはり実験だ!!
”意図的にサヴァン症候群を引き起こすことが可能であり生まれつきの場合は知的障害を抱えるが後天的ならば回避できる。
人為的に天才脳を作り出す事ができる画期的な発明だが康治は発表していない”
