ワクチンをすでに打った方へ伝えるべきこと その2 後半
抗体検査で陽性なら安全?
「抗体検査で陽性」または「中和抗体が見つかった」=「中和活性がある」ということではありません。また抗体検査は、中和抗体を見つけるだけの検査ではなく、複数の種類があります。
(中和)抗体検査で分かること、分からないこと
2021年5月24日の大阪大学(荒瀬尚氏率いる)の研究成果には次のことが書かれています。
「感染増強抗体が産生されると、中和抗体の感染を防ぐ作用が弱まることが判明した。しかし、十分量の中和抗体の存在下では感染増強抗体の影響は見られなかった」
大阪大学 新型コロナウイルスの感染を増強する抗体を発見 2021年5月24日
つまり、「ワクチン接種者が中和抗体を持っていた(=抗体検査で陽性)としても、その量が感染増強抗体に対して十分でない限り、ADE(抗体依存性感染増強)」が起こるということです。
また、厚生労働省の抗体検査キットの評価試験に関する報告書には次のことが書かれています。
Sタンパクに対する抗体の中には,ウイルス感染を阻害できる中和抗体が含まれる可能性があるが,今回の一斉試験で評価した抗体検査キットは,いずれも抗原との結合性に基づいて抗体を検出するキットであり,中和活性を評価するものではない。
厚生労働省 新型コロナウイルスに対する抗体検査キットの一斉性能評価試験に関する報告 2021年7月14日
感染した時には、中和抗体が増幅されますが、感染増強抗体も増幅されてしまいます。
よって、感染してみないとどちらの量が多いかどうか、毒を中和できるかどうか、は分からないのです。
さらに、下記「デルタ株にワクチンは効くか」で記しているように、ウイルスに変異が増えれば増えるほど、中和抗体が機能せず、感染増強抗体だけが増えてゆきますので、ワクチン接種による抗体保有者はまさに時限爆弾を抱えていると言えるのです。
抗体検査の種類
抗体検査には、使用する抗原によって種類が異なってきますから、検査を受けられる方はこちらを理解しておかないといけません。
抗原には以下のような種類があります。
- Sタンパク
- Nタンパク
- S1タンパク
- S1-RBD(S-RBD)
- SタンパクとNタンパクまたはその一部が混じったもの
「ワクチンで中和抗体ができたかどうかを確認する検査」は、S1-RBD(S-RBD)を抗原とする検査ですし、「過去にSARS-Cov2に感染していたかどうか」を確認する検査は、Nタンパクを抗原とする検査です。
ワクチン接種者は両方の検査をされると良いでしょうし、未接種者は後者のNタンパクの検査を行われると良いでしょう。
未接種者はNタンパクの検査で陽性であれば、抗体に加えて液性免疫を有している可能性が高く、変異ウイルスにも対応ができる可能性がきわめて高く、安全と言えますので、間違ってもワクチンを接種をされないでください。
Nタンパクについては、図1の右側を見てもらえばわかりますが、ウイルスにはあるけど、ワクチンにはないものです。だから、接種歴ではなくて感染歴が分かるのです。同じ「N」でも、SタンパクのNTDではありませんので間違えないでください。
デルタ株にワクチンは効くか?
2021年8月18日、厚生労働省に感染症対策を助言する専門家組織は、デルタ株が全国で9割以上になったと推計しています。
2021年8月22日、大阪大学(荒瀬尚氏率いる)は、英文のみで新たな論文を公開していますが、埼玉県の磯部クリニックさんが行われた和訳がこちらにありました。
論文では次のことが言われています。
デルタ株は、NTD中和抗体から完全に逃れて、NTD感染増強抗体への反応性を高めることを発見した。また武漢株に比べると、RBD中和抗体の反応性は落ちていたものの、中和活性は保たれていた。
デルタ株のRBDに4つの共通変異を導入したデルタ4+(擬似ウイルス)では、ファイザーワクチンのほとんどが中和活性を失い、感染性が増強された。
大阪大学 デルタ株は、ワクチンに対する完全な耐性を獲得する準備が整っている 2021年8月25日
私が本論文から解釈した内容を簡易図式化(図3)しました。S1、S2と書かれているのはSタンパクです。
デルタ株ではRBDに2つの変異(NTDには複数の変異)が入っていますが、研究のために作成されたデルタ4+ではRBDに4つの変異(★で表現)が入っています。

簡単にいうと、時間が経ちウイルスに変異が増えれば増えるほど、ワクチンで誘導されていた中和抗体が(RBDにくっつものもNTDにくっつくものも)機能しなくなりますが、一方で感染増強抗体は機能が上がってゆき、時限爆弾としてのADE発動リスクが高まるのです。
変異するということはウイルスのSタンパクの形が変わるということですので、鍵穴(抗原)の形が変わって鍵(抗体)が合わなくなるのというように理解ください。
大阪大学の論文は、In Vitro(試験管内、つまり実験系での結果)での結論に過ぎませんので、より複雑なIn Vivo(人の生体内)で起こっていることは異なっている可能性があります。
私は、冒頭でも申し上げたとおり、「デルタ株やその他変異株に対して、生体内ではすでにADEは発動していて、人が重症化したり亡くなっている、それが統計にも表れている。(若い人はそこから感染している。)」と考えています。
追記
「中和抗体が機能しなくとも、似たような抗原に対応する液性免疫(交差免疫)で対応できる可能性がある」という説については別途記事にしたいと思いますが、残念ながら、「液性免疫は、自然の経鼻感染では誘導されても、ワクチンではほとんど誘導されない」ということが分かっています。
上記の2021年8月22日付の大阪大学の論文では、「デルタ4+のような変異株に備えるため、デルタ株対応ワクチンの開発と接種が望まれる」と書かれており、この期に及んでもなおワクチン接種を推進する内容になっています。
大阪大学の荒瀬 尚(あらせ ひさし)教授と国立感染症研究所の高橋 宜聖(たかはし よしまさ)部長が、北京の学術会議に委員会メンバーとして参加されていた情報を偶然見つけまして、とても不安になりました。
まさにコロナ騒動が始まる直前の2019年10月の開催で、人民解放軍の免疫学研究所所長やその他名だたる中国人が委員会メンバーを務めている会議です。
中国語ですが、グーグル翻訳が可能ですので、ご覧になってみてください。▶︎2019年ヤンキ湖会議(北京)
過去記事「ADE等に関する元ファイザー研究員の主張」でもご紹介しましたが、元ファイザー研究員のマイケル・イードンが言っていたように、「ADEは、SARSやMARSも含めたコロナウイルスファミリーに共通の問題で、ワクチン開発に成功したことは一度もない」のです。
また、過去記事「“ADEとは何か”が腹落ちすれば、誰もワクチンを打たない」で引用したノーベル賞学者のリュック・モンタニエが話していたように、「ワクチンが変異株を生んでいるし、ADEを起こしていて、科学者や疫学者の多くがこれを知っていてもみな沈黙している」のです。
もう科学的には十分な資料と説明になったと思いますので、政治的な理解をこちらで深めて頂ければと思います。
最近はコメントを頂くことも増えてきましたが、三人寄れば文殊の知恵ですので、一緒に考えていただきコメントや問い合わせからご連絡頂けますと幸いです。
以上になりますが、毎度長い記事を最後までお読みいただきまして、ありがとうございます。今後ともどうぞよろしくお願いいたします。

