ゴミ、屑、死骸がリサイクル | 労人社のブログ

労人社のブログ

ブログの説明を入力します。

戦中日記(続労人社だより)220415号

「ゴミ、屑、死骸がリサイクル」

😢わが一族が70余年にわたり、住み暮らした二階家が解体されて、更地にされた。30坪足らずの土地は思いのほか広い。都内の低級住宅街では両隣りと軒を接して建てられていて、地べたを見ることはまずない。わが家には一坪ほどの庭があり、ここに(もみの木)ならぬ、いまや盛りに花を咲かせた椿の木だけが残った。

💤基本的にわが庭木は盗木である。子どもの頃、近くの工場敷地で咲いていた白い椿が珍しく、若木をくすねて来て、庭に植えたところ大きく育ち、きれいな花をつけた。ことさら、家人が金をかけて、手入れをしたわけでもない。枝葉が成長するままに、いわばほったらかしにしたままで、大きく、綺麗に育った。それが、今では4本まで根をはり、たくさんの花をつけろ。見越しの椿は、わが家の前を行き来する通行人には、功徳を与えてきたに違いない。それも、もうすぐ伐採されてゴミ処理される。

✋来年4月から、(相続土地国庫帰属法)なるケッタイなる法律が施行される。負動産化した田舎?の相続土地の管理が大変だろうと、お国の方で代わりに保有管理しましょう!という趣旨らしい。しかし、農耕放棄地やゴミ屋敷を想像し易いが、一度、法施行されれば資本の打出の小槌と化して、土地収用法に変ずるかもしれない。そのポイントとなるのが建物解体費である。

😱利用するアテのない相続土地も、租税、管理費、雑務を考えれば負動産にしかならない。ならば、国に物納すれば楽になる。ただ、ハードルは(国庫帰属法)の御利益に預かるためには(更地)が条件になること。住む人が居なくなった75才のわが家でもリフォーム工事をすれば、月10万円の家賃で貸せる。「バカこくでねぇ、リフォーム代がないから苦労している」。竹中平蔵のおかげで非正規雇用が増えて、可処分所得はうまか棒1本買うのも躊躇うに至った。

😏だから(国庫帰属法)をどうぞ!でも、更地にするには建物解体費が必要になる。20余坪総二階の建物を解体するには400万円近い金がかかる。この解体費の相場は、接面道路、隣家、廃棄物処理、地域により異なる。というより相場がない。競争のない地域では、見積額は業者のいいなりで、政府の兵器調達価格と何ら違いのない独占価格になっている。しょうがない。

💢さらに、コロナ禍で解体費がかさむ。家内部に残った布団、タンス、家電製品等の処分について、行政側は「ゴミにして専門業者に処分してもらえ」と冷たく対応する。もちろん、処分費は有料。それは良いが、使用できる生活用品をゴミにせよ!命ずる精神が許せぬ。不生産的労働者たる政治家、官僚、法律家、軍人こそがゴミ人間なのをご存じない。福祉バザールのようなイベントもマン防のため、開催できず、家一軒の生活空間がそのまま廃棄される。現金のない民衆は国庫帰属法も利用できない。

😁そこで登場するのが、資本。金融業者であり不動産屋である。都内にある狭小な、老朽化した住宅、土地が金儲けのタネ地となる。75年前の花のトーキョーでは、真面目でありさえすれば一戸建てが持てた。土地が所有権か借地権かを問わずすればだ。ニホン経済は高度成長期を含めて、75年間の公共投資の結果、道路交通網、電気水道ガスが整備されたおかげで、低級住宅街の土地評価が驚くほど膨れあがった。すべて、税金とはいえ、それがわが庭にの埋め込まれたまま、75年が経過していた。

🎶水道を掘るには、まず呼び水がいる。庭に埋まった金銀を得るには、資本がいる。現金がないばかりにゴミ屋敷のままにしておくしかない。竹中のおかげで現金不足の民衆=非正規者は、不動産屋か銀行に融資をお願いすることになる。都内の低級住宅街の土地はいまやリクルート株。含み益をかすめ取るのに資本は躊躇しない。そのための枠組みが相続土地国庫帰属法で、現金を持たない民衆には二束三文でトコ払いされる土地強制収用法になる。

😴物はなんでも大事にしましょう!子どものころに習った覚えがある。生命循環の輪は、植物-動物だけでなく、一次、二次捕食動物のウンコや死骸を栄養素に、さらに有機物を無機物に転換する菌(ウイルスも)いて、安定した循環を保持している。使用可能な生活用品を平気で(ゴミ処理)せよ!と命じてしまう、この国の政治、行政の姿勢はひと言で言えば「驕り」としか言えない。いや、この国自体がすでにゴミ、屑、死に体に近い。夏の参院選ではゴミだけがリサイクルされる。