甘えてみたい? | MIYUKI&KAMIOのつぶやきと陶芸のブログ

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陶芸家の夫である尾形香三夫は、2022年に他界しましたが、タイトルをそのままにして、今後も夫婦の思い出を交えて、書いていきたいと思います。

 

去年のこの時期は猛暑に苦しみましたが、今年の北海道は涼しいようです。

そんなこと言って、安心するのは禁物ですね。

 

以前にも書いた事があるのですが、私は世間一般でいう「男の仕事」だろうと思われる事も、抵抗なくやってきました。

 

昔からそうか?

というとそうではなく、夫や子供たちとその事で激しく喧嘩もし、言い争いも度々。

私が年末の忙しい時期に大きな爆弾が落ちる事は、家庭内ではちょっと有名というか「あ、いつもの季節のものがやってきた」という感覚で受け止められていました。

 

「ちょっと、あんたたち!」

という怒鳴り声で、一同(夫も含め3人)が頭を下げて、嵐が頭の上を過ぎ去るのをジ~っと静かに待つのです。

その反省したかのような態度そのものにも腹が立つ、といった具合。

それがいつからでしょうか?

爆弾を落とすこともなくなり、それどころかせっせと男の仕事と思われるものを熟していくようになりました。

 

多分子供が育って、心に余裕が出来てきた事は大きい要素ですが、結局いざやってもらうと、私が求めているような精度でやってもらえなくて、イライラ・・・という事がよくあったからか?

 

期待する事の虚しさ(笑)を悟ったのか?

 

 

夫婦二人になると、更に拍車がかかり、家庭内の事はほぼ自分一人で淡々とこなしていくようになりました。

 

でも、もし夫がのんべんだらりとしていたら、やる時間があるのに見て見ぬふりをしていたら、確かにこういう風にはならなかったはずで、相変わらず喧嘩をしていたのかも。

 

忙しそうに仕事をしている姿を見て、自分の出来る事は自分でやろうと、その方が平和が保てるし、これが私の役目だと自覚していたのでしょうね。

 

そんな風でしたから、夫が亡くなってしまった後でも、特にこれには困ったな、という事は無かったような気がします。いいのか、悪いのか分かりませんが。

 

 

そんな事を思っている時に、作品を一つ送る仕事が入りました。

 

これがいつになく重たい、、が、、自分で持てないわけではない、微妙な重さ。

 

郵便局に着き、よいしょ!と運ぼうとしている所に、20代と思しき若い郵便局員が偶然通りかかり、

 

「あ、僕が運びます!」

 

私は反射的に

 

「え?大丈夫ですか?ちょっと重たいですよ」

 

「え!?」

お互いの顔を見て苦笑い。

 

そう、世間ではもう充分人に頼ってもいいお年頃だというのに、人に(若い男に)甘える事をすっかりと忘れてしまった悲しい女になってしまっていた!

 

そんな事に気づかされた出来事!

 

もう手遅れだ!