楽しく稼ぐ本 | One of 泡沫書評ブログ

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楽しく稼ぐ本 (だいわ文庫)/日垣 隆

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わたしは日垣隆氏の本はよく読むが、岡本吏郎氏という方は初めてだった。本書は両者の対談をまとめたものだが、なんというかぜんぜん違和感を感じない。この二人は似た者同士なのかもしれない。おそらく二人とも個人事業主として長年利益を出し続けているという強烈な自負心があるのだろう、言いたい放題である(笑)。微妙な話題も、オブラートに包まずずけずけと本質的なことを言うところがそっくりだ。

岡本氏の語り口はともかく、日垣節が苦手な人、心臓が弱い人、住宅ローンを組んでしまった人は、ダメージが大きすぎる。読まない方が賢明だろう。だいたいにして「楽しく稼ぐ」という題名の割には、一般ピーポーにはたいへん耳に痛い話が多すぎる。対談形式ということもあって気軽なハウツー本だと思って読み進めると痛い目をみる。「ああ、やっぱり経営するって大変なんだ…このままサラリーマンをやって会社にしがみつく方法を考える方が身の丈に合っているのかもしれない」などと思ってしまうこと請け合いだ。

しかし矛盾することを言うようだが、それを乗り越えて読む価値はある。はっきり言って当代一流のビジネスマンであるお二人が、たった600円かそこらで経営の要諦を教えてくれるのだから、読まない方がアホだ。読むだけでは何も変わらないが、読まなければもっと何も変わらない。

ところで、救いを求めるようにこの手の本はいくつか読んでみたわけだが、さすがに鈍いわたしもそろそろ気付かざるを得ないことがある。それは、「思い立ったら行動してみる」しかないという厳しい事実だ。行動がなければ変化は生まれない。いつまでも本ばかり読んでいてもどうしようもないのである。