経済のこと よくわからないまま社会人になってしまった人へ | One of 泡沫書評ブログ

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経済のこと よくわからないまま社会人になってしまった人へ―ひとめでわかる図解入り/池上 彰
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「週刊こどもニュース」のお父さん、池上彰氏の子供向け・・・もとい、忙しい社会人に向けて書いた本。


さいきん、よくテレビにも出ていて、ニュースの解説などを行っているのを見かける。池上先生はおそらく世の中のあらゆることをわかりやすく解説すること、これをライフワークとしているのだろう。とにかく、平易に解説することを至上としているため、細かいところを端折るのが玉にきずだが、たしかにわかりやすい。わたし自身、わかっているつもりのことを人に説明しようとすると、説明に詰まってしまい、わかってないことがよくわかる。何も知らない人に平易に説明できるというのが、本当の意味での理解とはよくいったものだ。


ただ、誤解を恐れずに言えば、テレビに出ている芸能人と同じレベルの「社会人」は、少し生活を見直したほうがいいと思う。池上先生の本心としては(本人に聞いたわけではないが)、いい大人がこの程度のことを知らないのは本当はヤバイと思っているはず。本当は中高生くらいに向けて発言しているのだろう。マーケティング的に「社会人向け」としたほうが売れるから、こんなタイトルになったとしか思えない。要するに本書を買うような社会人たちはなめられているのだ。その証拠に、池上先生はシステムそのものの意義を問うような「危険な」部分は解説していない。たとえば保険における還元率の概念とか、年金制度が賦課制に移行した原因などについてははっきりと触れていない。わたし自身、よくわかっていないことが多く、「なめられる」のも仕方がないかと思っているが、悔しいのでしっかり復習しておきたいと思う。



いまの日本よくわからないまま社会人している人へ―ひとめでわかる図解入り/池上 彰

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