人を責めない生き方 | One of 泡沫書評ブログ

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人を責めない生き方―他者も自分も許せる人は、やっぱり強い! (KAWADE夢新書)/内海 実
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なんでこんな本を買ってしまったんだろうか、と思わなくもない一冊。


団塊世代を代表するような「骨の髄まで」サラリーマンをやってきた著者が、人にやさしく、じぶんにもやさしい生き方を説く「ビジネス書」である。


内容はまあある意味で勉強にはなる。しかし、端々に見える表現方法や、たとえ話がいかにも「団塊」であり、曲がりなりにもまだ20代のわたしなどからすれば、なんだか古い演芸を見ているような滑稽さを感じた。仕事に打ち込み、だれもが向上心を持ち、その背景には成長し続ける経済が前提となっている・・・というのは穿ちすぎな見方だろうか。価値観が多様化し、必ずしも平均的な生活を求めることが幸せとは限らないこの世の中において、著者の説くような生き方の「前提条件」に、果たしてどれほどの普遍性があるのか。正直疑問である。


とはいえ、内容はなかなか良いので、買ってそれほど損はなかった。とくに、自分は周囲の人間よりも優れている、と錯覚を起こしている人は、いちど自らを省みる意味でも、読んで見られるとよいだろう。「周りがアホばっかりで・・・」「こんなの考えても意味がない」と思っている人こそ読まれるべきかもしれない。