風磨side
翌日、雑誌の撮影があり
現場に入ると中島が先に到着していた。
俺は痛む頭を抱えながら
「おはよっス」と中島に声をかける
「あぁ、菊池おはよう。
昨日お前飲みすぎて、松島が家まで送って行ったけど大丈夫だったか?」
中島は心配そうに俺の顔を覗き込んだ
「大丈夫だけど…実は」
俺は昨夜あった出来事を中島に打ち明けた
中島はびっくりした顔をしたけど、
「おめでとう」って言ってくれたので、俺も
「なぁ、中島は佐藤の事避けてるって本当か?
姫、姫って言ってたのに、そういえば最近はそんな事言わなくなったよな?
松島に言わせると、佐藤はお前の事相当好きらしいぞ
お前はどうなんだよ」
すると
「はぇ?だって、避けてるのは佐藤の方だぜ。俺が話しかけようとするとダッシュで逃げてくし、目を合わせようとしない…し」
と、寂しそうな中島
俺はなるほどと思った
佐藤は
俺たちと仕事で会う時は、スンッとしてあまり喋らないが
オフの佐藤は素の女の子に戻る
オンとオフを上手に使い分けしている
だから、佐藤は仕事場では自分を出さない。
俺は上手いこと思いついた
FC動画で毎週企画をするのだが、
次回は観覧車に2人ずつ乗り
自撮りしながらゲームするという企画があった
使えるかも
撮影当日
松島と打ち合わせし、中島と佐藤がペアになるようパー以外は出さない事にした
「グッとパーで別れましょっ🎵」
俺と松島は最後までパーを出し続け、中島と佐藤をペアにすることに成功
相手に正直な気持ちを伝えることをそれぞれが助言し、送り出した。
松島と2人、上昇していく観覧車を眺めながら
「上手く行きますように」と願った