聡side
うぅ…寒っ
しょりとの「2日間」を過ごし、明日は追試を迎える
僕は今まで苦手なものには、スルーする癖があり基礎が全く出来てなかったので、2日間はしょりが作ってくれた問題をひたすら解くのに、時間を費やした。
側にいるしょりの存在…
今まで全く意識したことなかったのに
あんな告白されてからは、意識するなって方がホントに無理で
心臓が口から出ちゃうんじゃないかってくらいバクバクで…
そこで僕はしょりに
「1人でやるから」とお願いをし
部屋から出てもらった
改めて1人になると、心細いけど
一生懸命教えてくれたしょりのキモチに答えなきゃってのと
やっぱり…自分の今のキモチに正直になりたかったのがあって
ペンをもつ指が痛くても
時折窓から入ってくる冷気が冷たくても
僕はもくもくと机に向かっていた
そして…翌日
追試後に答案用紙がかえされる
僕は両手を組んでずっと祈り続ける
オネガイ
オネガイ…
そこへ
「松島~」と僕を呼ぶ声がした
あっ、ひゃっひゃいっ!!
声が裏返り、自分でも聞いた事がない声が出て、クラスの仲間からは笑いが起こった
生唾をのみ、前に進む
震える手で答案用紙をもらって、恐る恐る片目で確認したら…
87点
僕は「ありがとうございましたーっ」とカバンを掴むと急いで校門に向かって
先に待ってるしょりに
「しょり、しょり、やった!やったよ」って答案用紙を見せたら
「よくやったな、偉いぞ」って
頭を撫でてくれた
僕は…何だか不思議なキモチになったんだ…
しょりは同じ歳で身長も変わらないのに…すごく大人で、そしてすごく頼もしく思えた
-続く-
※このお話はフィクションです