「White snow」 第二章 -虹ー 6
このまま消えてしまいたい・・・
「神様・・・永遠というものがあるなら
ねぇどうして?
こんな私になってしまうの?・・・」
「導いてください・・・・
どこまでも、孤独のない 温もりのある場所へ・・・」
無意識に呟いた・・・・
受け入れるために、覚悟を決めるために聞いた結果・・・
否定したかった、否定して欲しかった・・・
とぼとぼと歩いているに辺りは暗くなり始めていた
本当はこのまま何処かに消えてしまいたい、そう思っていたが・・・この間、家族に迷惑をかけたばかりで
これ以上、心配をかけたくない・・・
何も自分の体の事は知らないふりをしながら家族と接しよう・・・
そして、自分がいつまで持つのかを考えよう・・・
後悔しないためにも・・・家族の為にも・・・・
家族は父を亡くしたばかり、そして次は私になるのだろうから・・・・
「お父さん、天国からよぉく見ててね・・私の全てを・・・
この両手で出来る限りの事を掴むから・・・だから今だけは思いっきり泣いていいよね・・」
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「遠藤家自宅」
幸人は前日ひとみと話をした内容を家族に告げた・・・
『ひとみになんて言って声を掛ければいいか・・・』
『何れ知らなければいけない事だけど・・・今じゃなかったわよね・・・』
亜衣(姉)はひとみの気持ちを工面してそう言った
『俺が悪いんだよ・・・』
『幸人・・・』
『俺、あの後考えたんだ・・・もし俺だったらどう感じたんだろうって・・・きっと俺は家族じゃなくて自分で良かったって思ったと思う・・でも、心からそう思ったとしても怖くて仕方がないと思う・・・それに・・・』
『・・・』
『俺と違って、ひとみは小さな頃からこの病気はいつか治ると思っていたんだ・・・それで・・俺はあんなことを・・・・』
涙が止まらなかった・・・・自分の無力さがたまらなく腹立たしかった・・・
『俺はあいつの兄貴なんだよ!そして親父の代りになるんだ!それなのに・・・アイツを傷つけてしまった・・・・』
『幸人、お前お父さんにそっくりだね』
母親が幸人眺めなら声を掛けてきた
『そんなのどうでもいいよ・・・』
『お父さん、ひとみの病気が分かった時・・・今の幸人のように自分を責め泣いていた・・・そして誰よりも幸せにしてやると言っていたわ・・・・』
『父さん・・・』
『きっとその想いはひとみに伝わる、大丈夫、私達をお父さんがきっと守ってくれるわ』
「ピリリリ」
幸人の携帯が鳴った
『ひとみだ』
幸人は急いで電話をとった
『どうした?どこにいるんだ?』
ひとみは幸人の声を聞いて感じた・・心配かけちゃいけない・・・
『何なのぉ 急に質問責めですか?(笑)』
敢えて笑ってみせた
『いや・・そろそろお前腹減るころだろうと思ってさ』
『何よそれ・・』
『ワリぃ・・・で、何処にいる?』
『今帰り、今日ね街をぼんやりと歩いてきた、疲れちゃった・・・お兄ちゃん・・迎えに来て』
『あ?・・・あぁ・・じゃあ・・皆いるから皆で行くよ、外で飯でも食おうぜ』
『皆って・・・今日はお兄ちゃんのおごりだね?』
『おう、そうだ』
すると受話器の向こうで母と姉の喜ぶ声が聞こえてきた
『じゃあ、ひとみは街中のスタバで待ってるね』
『うん、直ぐ向かう』
「ピッ」
「お兄ちゃん、昨日の事皆に話したんだろうな・・・だからかな・・・」
20分後、兄の運転する車がスターバックスの前に停まった、車の中から電話をしてくる姉(亜衣)
やけに明るく感じた・・・車に乗り込むと母は心配そうにいった
『ひとみちゃん、駄目よ 出掛けるときはちゃんと話していかないと』
『はぁ--い』
兄は無言で車を運転しながら煙草に火を点けた、その仕草がやけにお父さんと似ていた・・・
『お兄ちゃん、給料日前だからここで我慢しろ』
そういい着いた場所は家族で昔よく来たことのあるとこだった
食べ放題のバイキング お父さんは育ち盛りの子供たちに好きなだけ食べさせたいといってここに来ていた、料金こそ左程高い場所ではなかったけど、「焼肉、すし、そば、カレー、パスタ、デザード、アイス」盛り沢山で子供の時には大はしゃぎした
『懐かしいね・・』
『うん?・・そうだな・・嫌か?』
『ううん、ありがとう・・ひとみ超!お腹空いていたの!』
二人の会話を聞きながら母と姉はにこやかな表情をしていた
「思い出の場所って公園だけじゃないんだな・・・
ここもそうだ・・・
新しく築き上げることも大事だけど、過去も今の私には「今」なんだ・・・」
和やか空気の中、自然に運ばれた今日・・・・
そんな家族の元に産まれた自分は「幸せ者」だと感じた・・・
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