肥田春充が正中心を自覚する前の

型は腰を屈めて行う方式だった。


これは、骨盤が緩むパターンだ。仙骨が腸骨に対して後傾する事になり、副交感神経優位となる。吐く息も副交感神経だから、これはこれで正しいとも言える。また、大腰筋の使われ方が違う。大腰筋の前部繊維が屈曲する様に使われているので、クランチのトレーニングみたいになる。これでも大腰筋は鍛えられるので悪い事は全く無い。


正中心を自覚した時の型は腰が反っている。これ反るといっても腰椎五番と仙骨の接合部であって、それより上は反らない。ここ、腰痛を引き起こす原因になるから注意が必要だ。腰を反る型は骨盤が締まる。仙骨が腸骨に対して前傾するパターンなので交感神経優位になる。吐く息が副交感神経に対して骨盤が交感神経優位になる事で陰陽混合となる。ここに妙諦が生まれる。そして、大腰筋の前部繊維はストレッチされる。そして、後部繊維は腰部多裂筋と相まって収縮する。


腰を丸めるパターンと反るパターンでは頭蓋骨への影響も真逆になる。


ここで注意が必要なのは腰を反る事ばかりするのは宜しく無いという事。腰を丸める動きも必要である。仙骨が前傾後傾する事で体はバランスを保っている。常に腰を反った状態を維持していると、頭蓋骨の締まりと緩みが出来なくなり脳に障害を与える可能性もあるので注意したい。