芸と不均衡 | Saishoku==彩色==

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ことばをさがして

能の梅若六郎さん 60歳と、
バレエのマイヤ・プリセツカヤさん 83歳が競演した舞台を追った番組をやっていたのは、
少し前になる。偶然見た。

プリセツカヤさんは寡聞にして知らなかったのだが、
実は3年ぐらい前に舞台を見ていた。
ぺジャールの振り付けの演技をみて、思い出したのだが・・・
周りのお客さんが、ものすごい拍手を送っていて、
なんでだろう??と思ったのを覚えている。
伝説のバレリーナだそうだ。ユダヤ人だそうです。


梅若六郎さんは
心と体のバランスがある程度とれるようになったのは50代になってから
だといっている



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この六郎さんの祖父にあたるかたが、白洲正子さんの能のお師匠さんだそうです。
曰く、
「技術の勉強がひどく手が込んだものであるために、
いわゆる芸術家になるまでに一生が終わってしまうのです」
能の役者の方は、芸術家にはなれないのだ、と。


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円熟した人は、演ずる時に何も考えないらしい。
舞の井上八千代さんも、練習し尽くしたら何も考えることはない、と。

何かを表現しようとするのではなく、
洗練されつくした芸を追及していった先に表現が生まれてくる、
ということなのか。

歳を取れば身体的には衰えるが、精神的には深みが増す
その不均衡が、人間の芸を生むのかなぁ、などと