この時期、小さい子供さんがよく「蚊に刺されてすごく腫れた」という主訴で病院に来られます。

子どもが蚊に刺された場合、一般的に大人より大きく腫れることが多く、また、掻把行動に制御が効かないため、どんどん書き壊してしまい、ついにはとびひにまで発展する例をよく見ます。

 

蚊は一般的には、「二酸化炭素排出が多い人」「汗をかきやすい人(汗の中の乳酸という物質に反応する)」と言われていて、この条件は大人よりは子供に当てはまりやすいために、どうしても子供が刺されやすくなります。また、どうやら黒い色にも反応するため、黒い服はもちろん、日焼けで黒くなったお肌の人もかまれやすくなるとか。

 

というわけで、とりあえず子供を屋外で遊ばせるとき、水場や草の多いところで遊ぶ際には、きっちり蚊よけの対策をしてもらうのは大前提なのですが、対策むなしく刺されてしまったとき、どう対応していますか?

蚊に刺されて腫れてしまったという主訴で来院されれば、多くの医師はかゆみ止めの外用薬を処方するかと思います。

有名なものは「オイラックス」で、主成分はクロタミトンというかゆみ止めの成分です。

このお薬のいいところは、一日に「数回」患部に塗ることができるので、かゆい!と思ったときや搔いているのを見かけたら、都度塗ってあげることができる点です。ただし、あくまでこれはかゆみ止めであって、「腫れている=炎症」を抑える成分は少ししか入っていません。掻把による刺激でさらに腫れたり、掻把による皮膚の損傷は防げます。

ちなみに、オイラックスは「オイラックスH」と言う製品もあり、これにはヒドロコルチゾンというステロイドが混合されていて、比較的強い抗炎症作用があります。

なら、こっち使えばいいやん、って思うかもしれなけど、やっぱり搔き壊してとびひになる率がただでさえ高いので、なるべくならステロイド入りのものは使いたくないというのが私の考えです。

ちなみに、オイラックス中のクロタミトンの濃度は10%ですが、市販のオイラックスも同じ濃度なので、もしかして一緒なのでは、、と思って、調べてみたことがあります。

長くなるので次回記事にしようと思います。でも、市販のムヒやマキロンでも十分かゆみはとれますよ。

 

話は戻りますが、子供さんは蚊の唾液に対する免疫反応が強く起こりやすく、数日はすごく腫れてしまう場合が多いです。免疫反応は年齢が上がるにつれ次第に軽くなっていきますので、ご安心ください。逆にひどくなっていく、表面がえぐれるような潰瘍になる、毎回熱が高くなるなど、ひどい症状になっているようであれば、小児科に連れていっていただけるといいと思います。

 

 

 

次回記事にもしますが、市販のもので1番使いやすいのはこのオイラックスソフトになります。