夜尿症(おねしょ)については、今までにも何度か記事にしてきましたが、今回はお漏らしについて。
おねしょについてはコチラ→おねしょのおはなしおねしょのメカニズム
 
人間は赤ちゃんのときは膀胱機能がまだ育っていなくて、四六時中おしっこ垂れ流しです。
それが、徐々に尿を溜められるようになり、夜間は水分を摂らないのと、脳から尿を濃縮させるホルモンが出るために、生理的に尿量が少なくなり、排尿しなくなってきます。
当然ですが、まずは日中のお漏らしがなくなってから、夜尿が改善するという流れになります。
夜尿は小学生でもよくある病態なので、特段急ぐ必要もないと記事にもしていましたが。
 
赤ちゃんのときからずっと夜尿が改善しない場合でも、4,5歳になってからでも日中のお漏らし(遺尿といいます)がある場合は、注意が必要です。
これは、昼夜を問わず、パンツが渇いている時間帯が少なければ少ないほど、なんらかの先天的な病気を疑います。
例えば、尿管の出口が通常と違うところに開いていたり(尿管異所開口)するような先天性の尿路異常や、二分脊椎などの排尿神経の異常です。
また、生まれてから慢性的に重度の便秘がある場合は、同じように膀胱が圧迫されて尿漏れにつながることもあります。
排尿障害を来すほどの重度な便秘は、消化管の精査も必要になる場合があります。(参照;5歳女児、おねしょ②解答編重度の便秘
 
先天性の尿路異常や便秘によるおねしょはエコーで簡単に分かります。二分脊椎は、確定診断はMRIになりますが、技能がある先生ならエコーで診断できる場合もあります。
 
おねしょは奥が深いです。詳しい治療についてはまだまだ書けそうなので、また次の機会に。