ひさびさにおねしょについて。

 

一般的なおねしょ(夜尿症)は、

①膀胱におしっこが溜められない(尿意が我慢できない)

②おしっこが濃縮できない

のどちらかが原因で起こります。

 

①の場合

通常大人の体は、夜間には膀胱にたくさんおしっこが溜められるようになっています。

膀胱は筋肉で囲まれた袋で、小学生で200-300ml程度のおしっこを溜められるのが普通です。

ある一定量になると、膀胱のセンサーが作動して、排尿するように膀胱が収縮したがります。

それでも、出口の括約筋と呼ばれる筋肉がしまっていると尿漏れはありません。

これが、膀胱がおしっこを出そうとする力に負けると、一気に流れ出してしまいます。

おしっこが溜められないのは、このセンサーが誤作動しており、少ししか尿がたまっていなくても収縮したがり、おねしょやおもらしにつながってしまうからです。

赤ちゃんの膀胱は誰もが全然おしっこを溜められない膀胱ですが、通常は成長とともに膀胱も育って、たくさんおしっこを溜められるようになります。

 

②の場合

もともと、寝ている間にも尿は作られますが、寝ている間は「抗利尿ホルモン」という、尿の産生を少なくするようなホルモンが出ます。(おしっこが昼間のような頻度で出るとおちおち寝ていられません)抗利尿ホルモン=バソプレシンといいますが、脳の視床下部という場所から放出され、水分を再吸収する作用があります。そのために、朝一番の尿は濃縮され、色や臭いが濃くなるのが普通です。

このホルモンの産生ができなければ、当然おねしょが起こります。

 

幼児から学童期のおねしょの原因は、多くの場合は①と②の混合性と言われています。

つまり、膀胱がまだ未発達の状態であるのと、抗利尿ホルモンがきちんとリズムよく産生されていないため。

膀胱の成熟には個人差があるので、少しずつ鍛えていくことでおねしょを治していく方針が一般的です。

 

 

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Neltoku小児科学(オリジナルブログ;おねしょの記事の紹介です)