セイジャク。①
第3章 (和弥編) 続作
①
(和弥)
君との時間はいつも静かだ。
一人で部屋にいる時よりもずっと。
その空間は
窓越しの陽だまりで
くるんと小さく丸くなってウトウトしている時みたいな
暖かさと 居心地の良さと 安心感で満ちていた。
口に出すのはなかなか難しいけど
本当に君が大切で
本当に君が愛おしくて
本当に君を失いたくないと想っているよ。
失いたくないって想うたび
胸の真ん中から
熱い塊がこみあげてくる。
でも泣かないよ。
泣いたら君が不安になるだろうから。
時々あの湖にも行く。
君の勤めるホテルの前で君をひろって。
長い道のりの途中で
時々不安になって
助手席の君に手を伸ばす。
君の手を見つけて
そっと握った時のぬくもりは
穏やかな癒しと同時に激しい鼓動も与えてくれる。
こんな風にドキドキできる自分が
素直に嬉しいんだ。
そして
こんなかけがえのない日々が
いつまでも続く事を疑わなかった。
いつか君と結婚して
子供が生まれても
ずっとずっと君が大切で
ずっとずっと君が愛おしくて
ずっとずっとオレの隣には君の笑顔があると
信じていた。
