私は健康のために、バレエ教室へ通っている。
5月のある日のことだった。
「にゃんきちさん、ピアノ弾けるんでしょ?生のピアノでバレエを披露したいので、ピアノ弾いてもらいたいんだけど...」とバレエの先生に頼まれてしまった。
「いつですか?」と訊いたら3週間後だというので、私は
「ラ カンパネラなら弾けますけど...ほかの曲は弾けません!」と即答した。
だって、この曲しか弾けないんだもの
当日は大変...自宅から車で、高速道を使っても1時間以上かかる高知県四万十町まで出かけた。
広い森林公園(屋外)で、スピーカーもない舞台...着替える場所もないので、服が汚れないように上からTシャツを着て出掛ける。
途中、道の駅で昼食をとるけど、緊張で食欲がない...
「こんなこと、引き受けるんじゃなかったかな?」「こんなことになろうとは...」
自分が愚かだったのだろうか?
公園に到着。お遊びでペイントされた古いアップライトピアノが置いてある。
ピアノは1人で何度も練習したけど、ダンサーさんとの合わせは時間がなくて、ホントに直前1回だけ...私が弾いているときに、背後でこっそり踊っておられたようだ。彼女が音を聴きながらうまく合わせてくれるだろう、と期待するばかり。
やっぱり本番は緊張して、指が震えてしまってどうにもならない。
曲の途中で止まらずに弾けたので、自分では合格点と思っている。
お遊びのピアノ...NHKのBS1「街角ピアノ」で、7/8(木)夜7時から放送される予定です。