ニートライター亜金の事件簿・改~第九章:はじめてのお仕事02 | ニート脱出大作戦β

ニート脱出大作戦β

~ニートから抜け出す108の方法


亜金は、そのニュースに驚きを隠せなかった。
「爆破って?」
亜金は、思わずテレビの前で声に出してしまう。
「今、上層部に電話しているが……
 全く繋がらない」
啓司が、呟く。
「こっちもよゼーゼマンも同じ見たい」
チネッテは、ため息交じりに答えた。
「えっとどういう事?」
亜金が、御幸の方を見る。
「まぁ、状況が状況だからね。
 時間をおいて見るしか――」
御幸が、そこまで言いかけた時テレビのニュースの声が耳に入って来る。
「たった今、入ったニュースです。
 宝塚カップルランド跡地にて、警察関係者と思われる複数の遺体が見つかったそうです。繰り返します――」
「えっと……」
「殺されたのは恐らく能力者だな。
 橘は、ソウルイートの能力で着実に能力を伸ばしている」
カミーユが、そう言ってタバコに火をつける。
「そうだな……
 警察機構が、やられた今。
 奴らに関しての情報を入手するのは難しい。
 カップルランドで遺体が見つかったって報道できると言うことは、奴らの隠れ家が変わったということだしな」
啓司がうなずく。
「じゃ、どうするアル?」
メイリンが亜銀の方を見た。
「どうすることもできない」
亜銀が、ため息交じりに言った。
「じゃ、こんなのはどうだ?
 亜金の友人の幽霊たちにベルゼブブの捜索を頼むとかは……」
玉藻の提案に亜金は、即答した。
「ダメだよ。
 橘のソウルイートをどうにかしない限り、その人たちも食べられる」
「そうじゃな。
 それにソウルイートにはこんな隠された能力もある。
 『108の能力者の魂を手に入れた時、神に等しい力を獲る』とな」
源流才が、そう言ってあごをなでる。
「神に等しいって……
 女王様に神様……なんか勝てそうもない敵だね」
「亜金、はじめての仕事で悪いが……
 ここは腹をくくって貰うぞ?」
亜金の言葉に啓司が真剣な目でそう言った。
「わ、わかってるよ」
「とりあえず、子供たちはワシで預かる。
 ヌシたちは心置きなく調査せよ」
源流才が、そう言うと亜金が頭を下げた。
「ありがとうございます」
「で、どうやって調査する?」
亜銀が、啓司の方を見る。
「手当たり次第にって訳にはいかないしな……」
啓司が悩んでいると亜金のスマホが鳴る。
発信者は、南だった。
「え?南ちゃん?」
亜金は思わず声を出してしまった。
その声にその場にいたもの全員が亜金の方を見る。
「ベルゼブブからだろうな」
亜銀が、呟く。
「亜金、出るんだ」
啓司が亜金の方を見た。
「うん」
亜金は、小さく返事をすると電話に出た。