「もしもし」
亜金は、電話にです。
「御機嫌麗しゅうございます。
クララですわ」
「うん」
「おめでとうございます。
貴方が今回のターゲットに選ばれました」
「ターゲット?」
「そうですわ。
貴方の魂貰います」
クララが、笑い声交じりにそう言うと電話を切った。
「今の電話の声……
クララか?」
啓司が亜金に尋ねる。
「うん。
次のターゲットは俺だって」
「そうか……
まぁ、お前の能力はある意味最強だからな」
啓司が、そう言って亜金の方を見る。
「最強なのかな?」
「使いようによればな……
そして、なんでも能力を吸収する橘もまた最強になりつつある」
「でも、どうして俺に電話なんてして来たんだろう?」
「宣戦布告とでもいうヤツじゃないのか?
これだけ能力者がいればあいつらでも苦戦するのだろう」
「……そっか。
でも、絶対王政の前に俺たちは足元にも及ばないよ?」
亜金がそこまで言った時、由香が言葉を放つ。
「それね、薫ちゃんが自分に任せてって言ってるの」
「由香ちゃん?
いつからそこに?」
「最初からずっといたよ」
「……でも、薫ちゃんに任せることなんて出来ないよ」
「そうだね。
流石にクララ相手に4歳の女の子を任せるなんて……」
御幸がそう言うと薫が、口を開いた。
「なら、見てみる??
私の力……」
その場にいたもの全てがはじめて薫の声を聞いた。
「力って言霊だっけ?」
「うん」
「では、見せてもらおうか?
お前の力を」
亜銀が、そう言って薫を睨む。
「みんな元気になりますように」
薫がそう言うと亜金たちの怪我が一瞬で回復した。
そして疲労なども回復した。
「あれ?
なんか疲労感がなくなった?」
「これが、私の力……
私と由香ちゃんでがクララって人を倒すわ」
「でも、子供に大ボスを当てる訳には……」
「大丈夫。
私も行くから……」
そう言ったのは、理香だった。
「理香ちゃんもいたの?」
亜金は、驚きのあまりそんな言葉が出てしまった。
「うん。
だから、お兄さんたちは他のベルゼブブのメンバーと戦ってほしいの」
理香がそう言うと亜銀が言う。
「わかった。
任せる」
「任せるって、子供に何を任せてるんだよ!」
亜金が、怒る。
すると亜銀が笑う。
「大丈夫。
信用できる助っ人をさっき呼んだ」
「助っ人?」
「ああ……
恐らくそいつも肉弾戦においては、なかなかの力を持っている」
「信じていいんだな?」
「信じる信じないはお前に任せる」
亜銀は、冷たく言い放った。
「わかった……
信じるよ」
「亜金は、橘勤を倒してくれ」
啓司がそう言うと亜金はうなずく。
「この気配……
そろそろ来るぞ!
各々、散会!」
源流才が、そう言うとそれぞれはその場をバラバラに離れた。
玉藻は亜金のあとを追った。
それぞれの戦いが始まる。