亜金は、そのニュースに驚きを隠せなかった。
「爆破って?」
亜金は、思わずテレビの前で声に出してしまう。
「今、上層部に電話しているが……
全く繋がらない」
啓司が、呟く。
「こっちもよゼーゼマンも同じ見たい」
チネッテは、ため息交じりに答えた。
「えっとどういう事?」
亜金が、御幸の方を見る。
「まぁ、状況が状況だからね。
時間をおいて見るしか――」
御幸が、そこまで言いかけた時テレビのニュースの声が耳に入って来る。
「たった今、入ったニュースです。
宝塚カップルランド跡地にて、警察関係者と思われる複数の遺体が見つかったそうです。繰り返します――」
「えっと……」
「殺されたのは恐らく能力者だな。
橘は、ソウルイートの能力で着実に能力を伸ばしている」
カミーユが、そう言ってタバコに火をつける。
「そうだな……
警察機構が、やられた今。
奴らに関しての情報を入手するのは難しい。
カップルランドで遺体が見つかったって報道できると言うことは、奴らの隠れ家が変わったということだしな」
啓司がうなずく。
「じゃ、どうするアル?」
メイリンが亜銀の方を見た。
「どうすることもできない」
亜銀が、ため息交じりに言った。
「じゃ、こんなのはどうだ?
亜金の友人の幽霊たちにベルゼブブの捜索を頼むとかは……」
玉藻の提案に亜金は、即答した。
「ダメだよ。
橘のソウルイートをどうにかしない限り、その人たちも食べられる」
「そうじゃな。
それにソウルイートにはこんな隠された能力もある。
『108の能力者の魂を手に入れた時、神に等しい力を獲る』とな」
源流才が、そう言ってあごをなでる。
「神に等しいって……
女王様に神様……なんか勝てそうもない敵だね」
「亜金、はじめての仕事で悪いが……
ここは腹をくくって貰うぞ?」
亜金の言葉に啓司が真剣な目でそう言った。
「わ、わかってるよ」
「とりあえず、子供たちはワシで預かる。
ヌシたちは心置きなく調査せよ」
源流才が、そう言うと亜金が頭を下げた。
「ありがとうございます」
「で、どうやって調査する?」
亜銀が、啓司の方を見る。
「手当たり次第にって訳にはいかないしな……」
啓司が悩んでいると亜金のスマホが鳴る。
発信者は、南だった。
「え?南ちゃん?」
亜金は思わず声を出してしまった。
その声にその場にいたもの全員が亜金の方を見る。
「ベルゼブブからだろうな」
亜銀が、呟く。
「亜金、出るんだ」
啓司が亜金の方を見た。
「うん」
亜金は、小さく返事をすると電話に出た。