ファスティングってやつな | 炙亀板の亀ブログ

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亀のまいにち

お友達が今日からファスティングとやらをするということなので、

ちょっと注意書き程度に。

 

実は私もこれやったことある。

病気があることがわかって、ひとまず周りの人に話をしていたら、

いろんな人がいろんなことを言いながら連れていかれたのが、

このファスティングとやらを勧めている人のところだった。

 

「身体に溜まっている毒を出して、きれいになったところに有害物質を入れない」

という、この手の人たちがよくいうセールストークでかなり高額な「用品」を購入し、

決まった方法で酵素のドリンクとタブレットを食べるやつ。

病院を決める前でもあったので試しにやってみたのだが、

これはこれで面白い経験ができた。だからこそこうやって書いているのだが。

 

まず、毒を出すという言い方。みんな大好きデトックスだけど、

これは正式な医学用語ではない。第一、毒の定義ってみんなわかってないだろ。

まあ、人体によろしくない状況をもたらすもの、ぐらいに思っているだろうからひとまずそのままで。

 

人体は常に不要なものを出すようにできている。

そのサイクルが失調して出るべきものが出ないということは往々にしてあるけれど、

同時にため込むことで生き延びてきた歴史もある。

過剰にため込んだものは非常時のストックにはなるんだけれど、

平和な世の中ではそんなに必要なかったりするからね。

 

うちの業界的にいえば、春は芽吹きの季節ですべてのものが外に向かって動き出す。

夏は芽が育ち成長して花を咲かせる季節。代謝が活発になる時期だ。

秋は実がなって収穫し、冬はそれを蓄えておく季節と考える。

と、冬は秋の実りを次の春まで蓄えようとする季節なので、様々なものが内向きになる。

ということは、何かを出すという行為は自然の摂理に反することになる。

せっかく生き延びるためにため込もうとしてるのに「出せやオラ」って無理矢理出させるって。

 

実際、冬場にファスティングとやらをやって、身体を温めるエネルギーが不足して

手足が冷えて倒れそうになっている人を見たことがある。

温かいものを飲むように勧めたら、そこにファスティングを指導している人がやってきて塩水を飲ませていた。

まあ、冬ですからねー。塩ってのもわからないでもなけど。

汗と一緒に電解質が流出するんなら塩水もありだけど、どっちかって言うと砂糖水とかじゃないのか。

 

私が勧められたタブレットは「30種類以上の野菜や果物の酵素が云々」という謳い文句だったような気がする。

私に勧めた人はそれをバリバリ食べながら「ファスティングたのしー!」「全然辛くなーい」と嬉しそうだったが、

固形物を食べなくても、甘い味のするタブレットをバリバリ食べていたらそれなりに食欲は満たされるだろうから、

辛くないのは当然なんだよ。辛いのは空腹感なんだから。つまり飢餓感。生命を脅かすものだからね。

 

それから、ファスティングを始めると頭痛がすることについても、彼女たちなりの解釈を聞かされたが、

要するにエネルギー源がなくなって、脳にエネルギー行かないから注意信号を出してるってことかと思うんだけどね。

現金収入がなくなったから貯金を取り崩すってのが原理だけど、

現金なくなってすぐ銀行に行けるわけじゃないのと同じで、「ちょっとー、パン買いたいのにお金ないわよー!」って

言ってるようなもんだわね。

 

冬に比べたら今どきのほうがファスティングには向いているかも。

春は解毒の季節です!って書いている本もあるけど、

それも純粋な中医の考え方ではないし、西洋医療の考え方ともちょっと違う。

 

まあ、私もそれで4キロやせたし、上記の塩水飲まされていた人も「お肌つるつるになった~」って

言っていたけれど、今日みたいに暑くなると、脱水症状から痙攣起こしたりしかねないから、

適度に塩分・水分・糖分を摂らないとね。

イオンドリンク会社の回し者じゃないけど、電解質の補給は結構大事。

 

中医学とか漢方のことを知ってファスティングするとまた面白いかもね。

私と一緒に西洋医学的な観点から見てくれるお医者さん大募集。

ダイエットの話もまたいつか書きましょうかね。

 

ぢゃ。