当時、学校祭ではクラス毎におそろいのTシャツを着ることがトレンドだった。

最近はどうか知らんけど。
ビートルズかなんかの絵がプリントされてるTシャツを、みんなで着ることに決定。

学校祭の準備期間に、各自サイズと色を選択する。
杉はLLサイズの青を選択した。

で、学校祭期間の前日、Tシャツが届く。
みんなが教卓に置いてあるTシャツの入ったダンボール箱に群がる。

注文票を見たところ、LLサイズを選んだのは杉を含め2人しか居なく、青は1着だけだった。
そこで不穏な言葉を聞いた。

朝日奈「あっ、あたしLLがいいなー」

ワケがわからなかった。
もう全然ワケがわからなかった。

朝日奈さんはちっこい女子なので、Sサイズを選ぶのが自然だ。

LLて。

「あはは、何言ってんだろこの子」って思った。

しかし、杉がダンボールを覗いた時にLLサイズの青のTシャツは無く、
朝日奈さんがソレらしき物体を持って自席にいた。

結局ダンボールにはSサイズの赤のTシャツが残っていた。

当時、ダブダブなTシャツを着ることもトレンドだったのだ。
朝日奈さんはコギャル系な人で、杉とは住む場所が違いすぎるため、
「拙者のLL返してブヒー」と要求するのに躊躇した。

とは言え、このままではあんまりなので、担任の沼口先生に訴えた。

「朝日奈さんが杉のLL持ってっちゃったんすけど・・・」

先生は杉と朝日奈さんを順にチラッチラッと見て・・・

そこでまた不穏な言葉が。

沼口「残ったのはSサイズ?ちょっと杉着てみてよ」

ナニ?
言われるがままにトイレで着替えた。きつかった。
ピッチピチだった。

先生はそれを見て
沼口「着れる着れるー」

着れるというよりキレそうだった。

こんな状態で校内を歩いたら生活指導の先生に叱られるレベルだ。

温厚な杉もこの時ばかりはクソ先公を一発殴ろうかと思ったが、

他の生徒がトイレに入ってきたので、さっさと制服に着替えるのが先決だった。

結局SサイズのTシャツは杉家のタンスにしまわれ、出番は二度と無かった。

学校祭では杉だけ別の、黒のマイTシャツを着た。

各クラスの出し物を見ながらトボトボ歩いていると、
朝日奈さんはブカブカの青いTシャツを着て
友達とゲッラゲラ笑いながら飴食ってた。

めでたしめでたし(チクショー!)
































