ホミン時代小説の続きです~
ホミンが苦手な方はスルーしてくださいませ~

ホミン時代小説「花よりも君20」

俺は…
死ぬのか…
チャンミン…
チャンミンは救えた…
それで…思い残す事は…ない…
…………
…………………
本当に?………そうか?…
チャンミンの笑顔が…見たい…
チャンミンの花のような…
あの笑顔……
チャンミンに……触れたい…
抱き締めたい……
口づけを……交わしたい……
チャンミン……
俺は…ゆっくり瞳を開けた…
…………………………
………………
「あっ!!ユノ様が…目を目を
覚まされました!!」
お世話係りの女官が
血相かいている姿が瞳に移った…
「ユノ~!!ユノ!!」
ドンへが泣き出しそうな
顔で俺に飛びついてきた…
「……ドンへ……」
「お前~…心配かけさせやがって~」
俺は…なかなか状況が飲み込めず…
ぼんやりと天井を見上げながら…
そうだ……俺は…あの時…
パク氏に刺されたんだった…
俺は……助かったのか……
チャンミン……
そうだ!!チャンミンは?!
チャンミンは無事か?!
俺は…回りを見渡して
起き上がろうした…
「あぁ!!ユノ様…いけません!!
目覚めたばかりです!!」
「そうだぞ!!ユノ!!」
俺は…ドンへを見上げながら聞いた…
「ドンへ……チャンミンは…
チャンミンはどうした?」
「あぁ…そうだな…
お前にちゃんと話さなきゃな…
お前…一月も目を覚まさなかったんだぞ…」
一月も……
それからドンへが、
ゆっくり説明してくれた…
あの後…俺は…意識を失い…
生死の間をさ迷っていた事……
チャンミンは無事に保護されて…
目の覚めない俺に…
時間の許す限り付きっきりで
看病してくれていた事…
男学所の、いかがわしい実態が
明るみになり…
男学所の男子達は皆…
自分たちの家に帰された事…
パク達は捕らわれて
牢に入れられている事……
………………
俺が目を覚まさない間に…
いろいろあったのだな……
「チャンミンは…家に…戻ったのだな…」
「あぁ…皆…帰された…」
「そうか………」
本来…チャンミンは家にいて…
勉学を励み…
家族と幸せに暮らしていたのだからな…
それが通りなはずだよな……
力なく天井を見上げる俺に
気を使ってか…
ドンへが…
「ユノ…チャンミンは、お前の事…
ずっと心配していたぞ…
家に戻る日も…お前を心配していた…」
「そうか……」
もう…会うことはないのか……
また会えるのかさえ…わからない…
少なくとも…普通の民が…
宮中に入る事は少ないはず…
あぁ…チャンミンに本を…
本を返してやりたかった……
俺は…黙って瞳を閉じた…
瞳を閉じると…
チャンミンの顔が目に浮かぶ…
あの古本屋で悲しげにうつ向く
チャンミン…
再会して…はじめて二人で見上げた
夜空…
俺の袖口を掴んで…
また会いたいと言ったチャンミン…
はじめて口づけを交わした
星空の美しかった…あの夜…
俺の物になりたいと…
はにかみながら…
俺を見上げた…チャンミン…
チャンミン…
チャンミン…
俺の頬を涙がスーっと落ちた…
俺は…泣いているのか…
この俺が…泣いているのか…
「お前…泣いているのか!?」
ドンへが心配そうに俺に聞いた…
俺は…瞳を閉じたまま…
「いや……
目に…ゴミが入っただけだ……」
俺は…そう静かに答えた…
つづく…
ユノ様…
助かったけど…
切ない…
(。´Д⊂)
二人は…
どうなるの…
つのる想い…
画像はお借りいたしました。
ありがとうございました。