◎番外◎　＜詩＞豆腐

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やってきたやってきた
豆腐がやってきた
ひんやりお水に包まれて
四角いパックにおさまって

おねぎを刻もう
大葉を刻もう
しょうがをおろそう
みょうがもあるよ

お外でじいじい
虫の声
おなかはぐうぐう
昼下がり

冷えた冷えた
豆腐が冷えた
きれいな器にこんもりと
涼しい器にどっしりと

おねぎをかけよう
大葉をのせよう
しょうがものせよう
みょうがもちょこっと

お醤油たらり
こっちはね
お塩と阿列布油
こっちはね

もうまちきれない

ちゅるりん

喉を降りてく
冷たくて
柔らかくて
香ばしくて
ふしぎな感触

おねぎと大葉としょうがとみょうがは
舌のうえで
豆腐のかげから
ひょこひょこ現れる
そのたんびに

私は楽しくなって

うふふ

と声に出す

おなかがひんやり
満たされてゆく

食べ終わったら
縁側でごろり
手足を伸ばして
眠りたい

うちには縁側ないけれど

もっさり暑そうなマルやんが
私をとっても
うらやましそうに
一瞥して

その涼しさを
分けてくれと
私の横で
おなかを出したのだ