気まぐれネコ族の逆襲 | にゃにゃ匹家族

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ねこ家族のつれづれと折々のことなど綴ります。

前回、ネコのDNAの新聞記事について書きましたが、それで思い出した話がありました。

数年前に、アメリカでペットのクローンを作っていた会社が倒産しました。

世の愛犬家や愛猫家にとって、愛するペットを亡くすことは、本当につらいことです。

もし、その時、クローン技術によって、再び、同じ子がよみがえるのだとしたら、・・・


お兄ちゃんの背中に乗って
満足げなジンザエモン








ゴエモン、乗っけてもらったけど
ちょっと、こわごわ



当初、このビジネスは大ヒットするものと考えられました。
ペット産業の隆盛を考えれば、愛犬、愛猫の「再生」が、儲からないわけはないと。

実際、愛するペットの「再生」を願って、死んでからはもちろん、生前からも、ペットたちの細胞を提供する飼い主は、かなりいたようです。
しかし、現実は、クローンのペットが作られた例はわずかだつたのです。

その理由はというと、

命を人為的に再生することの倫理上のハードルが高いのはもちろんですが、それには目をつぶって、さらに高額の費用も何とかして、亡くなった子のクローンを迎えたとして、さて、どうでしょうか?

たとえ、同一のDNAを持ち、外見や性質が同じとしても、やはり、亡くなったその子はその子でしかありえないし、クローンの子は別の存在です。
飼い主として、100%ハッピーってわけにはいきませんよね。

そんなこと、当たり前。

この世に1つしかないはずの命。
動物だからって、再生産して、儲けようとする会社って、どうでしょう?。

ニャニャ匹の中でも、最年長のハナコ
その日のことは考えられない


この会社は、その辺の飼い主の心の機微を読み取り切れなかったのです。

そして、もう一つ大きな読み違えがありました。
それが、ネコ族の人間の思い通りにならないというネコ特有の「気まぐれさ」でした。

というのも、犬の場合は、ある程度外見や気質が再生できたようですが、ネコはうまくいかなかったのです。

なにせ、黒白の毛並みのネコのクローンを作ると、茶トラになり、三毛猫のクローンを作ると、真白い子ができてしまうという「気まぐれさ。」

自らのクローン技術を信じているクローン会社にしてみたら、目をシロクロさせられる事態だったでしょう。
これでは、ネコのクローンの注文は取れませんよね。

後になって判明したことですが、ネコの毛並みは、DNAの遺伝情報によってのみ決まるのではなく、発達段階の環境に左右されるらしいのです。
つまり、母ネコの胎内環境によって、同じ遺伝子情報をもっていても、同じ毛並みにはならないのです。

ネコって、飼い主の思い通りにはならなくて態度も行動も気まぐれで本当に困らさせますが、生まれてくる前からも、とっくに気まぐれだったのですね。

そして、その気まぐれさが、件のクローン会社の倒産の1つの要因になったのです。

ペット産業という巨大市場で、時にもてあそばれるネコたちの命。
気まぐれネコ族の逆襲に、クローン会社は完敗したのでした。

仲良しのボンとゴエモン  一緒にいられるこの瞬間を大切に思う