現代のような世相 | 久蔵

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落語と歴史のブログ

遠い昔に今の世相によく似た時期があったという、それは江戸後期の文化文政時代

 

 

・戦のない平和な期間が長く続いている
・火災や自然災害が重なり財政難
・江戸に一極集中、しかし上方も元気
・豪商中心だった元禄文化から町人文化へ

 

・風刺、皮肉、ボケとツッコミの狂言が流行る
・弾圧や規制をかわし洒落や滑稽のお笑いブーム
・ヒーローじゃない悪人が主人公の白波物が主流
・出開帳など文化遺産の観光ブーム

 

 

・寺社参詣巡礼という名目の温泉旅行
・庚申講にかこつけて仲良しグループで夜通し呑み食い
・縁日、宝くじ、占い、縁起などのイベント趣向

・どこそこ構わず大騒ぎのお祭りが大好き

 

等々

 

外食ブーム

 

総じて享楽的・退廃的傾向でお上に批判的、町人の知識レベルは上がり国際経済なんちゃら学科のような学問が増えてきたように

 

当時の学問も多様化したという、とにかく流行りものには敏感でイベント大好き、日本人の旅行好きはこの頃からだという

 

 

平成期と文化文政期の世相は類似と言われている、十九世紀後半は欧米列強が接近し国内の治安は乱れ内憂外患の幕末に向かう

 

七十数年前からの戦後史は苦難の連続ではあるものの成長し続け平和な世の中だったよう、海外では絶えず紛争は続いている

 

 

過去の政治経済の信憑性は私にはさして重要ではなく、過去の出来事が未来の私の人生にどれだけ活かされるのかの方が大事

 

偶然にも平成期もあとわずかで新しい元号での日本が始まる時期になっている

 

 

政治経済は物語として活字でしか残っていないが、芸能風俗は今でも文化財として残っている、文化史はより興味深い