近代の外交史 | 久蔵

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落語と歴史のブログ

近世までの外交史につづき

 

朝鮮半島を本土主権線の利益線として確保することが国防方針になった、明治の軍中枢は薩長藩閥だった

 


日清日露戦後の大日本帝国は朝鮮半島を大韓帝国の主権で独立を促し支援したが、滅亡しかけた清や露の属国となりかけたのでやむなく併合を強行した

韓国併合条約のニュアンスは微妙でハーグ密使事件の制裁や大韓帝国政府からの要請によって併合した、という記録になっている

 

過去の日朝修好条規はほぼ片務の不平等条約で、日本は李氏朝鮮政府の閔妃暗殺事件まで起こしている

 

 

欧米列強が日本にしてきた威圧的な外交より酷い仕打ちをしていた明治薩長政府の怖さもあったという

 

韓国併合は明治政府内でも賛否両論があり、反対した主謀者は伊藤博文だったが皮肉にも韓国併合の前年にハルピンで安重根に暗殺されている

 

英仏独伊露米の欧米列強国は日本の朝鮮半島支配は暗黙の了解、という状況になっていたという

 

ただし満蒙以外の大陸利権を求めるなという条件だったという、これとて欧米の日本に対する酷い仕打ちであった

 

 

日本人が移民先住していたハワイやフィリピンは日米暗黙に米が支配した、引き換えに日本は朝鮮半島と満州を支配しようとしたという

 

米西戦争に勝利した米はスペインをフィリピンから追い出した、近世ヨーロパの大国は衰退していった

 

かたやスペインの無敵艦隊に勝利した大英帝国が台頭し帝国主義の筆頭となりアジアに進出した

 

インド・オーストラリアやマレー半島そして阿片戦争で清国を蝕み香港を租借した

 

日韓併合後の朝鮮を統治した旧朝鮮総督府庁舎


インドシナ半島はフランス、南洋諸島はドイツ、インドネシアはオランダが植民地にしていた

 

近世から民間でアジアに先住移民していた日本は追い込まれていったという

 

帝国主義で大陸進出は欧露が先行し日米は後手だった、米はさらに出遅れていたという

 

 

日英同盟が実現した英日に手も口も出せない独仏は動けず日露戦争に勝利した

 

日清戦争後の三国干渉の臥薪嘗胆の雪辱を果たし遼東半島を奪回し大陸進出の足がかりとした、さらにロシアから樺太・千島列島を占有した


日露は関係を修復し満蒙を分け合い米を牽制した、その後ロシア崩壊まで帝政ロシアとは親密な関係が続いたという


朝鮮半島を占有し満蒙と北方領土を共有した

 

 

対独利害が一致して日英同盟を楯に第一次世界大戦に参戦した日本は勝利した、大陸の独租借地を占有し独領南洋諸島を委任統治した

独からの化学・医療技術が断たれダメージは大きかったが日本独自の重化学工業新興財閥が勃興している

敗戦後の独がファシズム化し独伊が雪辱の宣戦布告、第二次世界大戦が勃発してパリを陥落さらに英ソまで制圧する勢いだったという

 

日独伊三国同盟し仏領インドシナ半島、蘭領インドネシアを日本が占有し欧州による大陸の租借地や植民地を奪還しアジア独立を促した

 

 

日本は環太平洋のほぼ全域を統治するに至った、世界の勢力図は英から米に移り日英同盟は反故となった、米が新たな世界秩序をつくり始めた

日本は遂に英領マレー半島と米ハワイを先制し太平洋戦争に突入、日本史上最大の太平洋全域を占有した

この時期の日本地図は戦後しばらく観ることができなかったという、日本史も修身(道徳)も封印されたという

 

遡り、太平洋を隔てた米にノーと言ったのは黒船開国以来ただの一度だけ、ハリマンの南満州鉄道共同開発の拒絶

 

 

以来日米の歩み寄りは無い、ゆえに敗戦につながったと言われている

国際連盟脱退⇨ハルノート要求⇨米英へ宣戦布告⇨ミッドウェイ戦空母壊滅⇨硫黄島・沖縄戦全滅⇨広島・長崎原爆投下⇨ポツダム宣言受諾

以降は日米協力体制が続いている、米が期待したのは大陸進出しない日本と米の軍駐屯拠点だった

 

後に軍事物資の経済拠点と反共の防波堤になったという


 

現在の大陸は眠れる獅子が目覚めた世界史に観る大陸として蘇ろうとしている