「僕のワンダフル・ライフ」の感想。非常に悩ましい映画。 | アニメ映画情報ブログ【 ねじまき恋文のヤブレター 】

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ちょっと遅れましたが行ってきました。

 

 

 

 

僕のワンダフル・ライフ

を観てきました。

公式HP:http://boku-wonderful.jp/

 

 

 

“最愛の飼い主に会うために、50年で3回も生まれ変わったベイリー”という思いっきりネタバレなんじゃないかって広告のされ方がされている海外版「いぬのえいが」。高木渉さんがワンちゃん役をする日本語吹替え版を観て参りました。

 

 

 

 

 

 

本作を観てきた感想を恐れ多くもざっくり一言で言うなら

 

 

 

 

どうなんだこれ・・・・

 

 

 

というなんとも言えない感じでした。

もうちょっと詳しい感想を書いていきます。

 

 

 

 

 

●やっぱ犬って反則だよな。

 

 

根本的に犬映画ってずるいと思うんですよ、私。

 

 

私が犬派ってこともあり、犬自体に画的な破壊力を持っていると感じております。そんなわけで犬映画ってある意味“チート”を使ったアイドル映画でもあると思ってまして正直冷静な評価を下すことができないって前提で聞いてください。

 

 

 

 

 

 

 

もうね、犬がすんごく可愛かったです。

 

 

ベイリー(犬の名前)時代は、勝手にパパのコイン食ったりと胸糞感があるんですが、特に心を打たれたのが生まれ変わった後のシェパード時代。映画の中でもかなり短くタイトなエピソードでもあったんだけど、単純な飼い犬と飼い主とはちょっと違ったパートナーの形として、健気な勇姿に感動いたしました。

 

 

 

この時代が一番グッときました。

 

 

 

口数が少ない飼い主のおじさんの具体的な過去は語られないんだけど、写真に写るかつては居たであろうパートナーの存在や、寂しそうな一人の食事・寝室。あの語りきらないキャラクター造形が登場人物の中でも一番自然で好きでした。そんなおじさんが普段は強がってはいるんだけど、ある夜“ペット”ではないはずの犬に少し救われるあのシーン、ちょっと切なくなってしまいました。

 

 

 

そしてそんな夜を経ての突然の別れの瞬間、いろんな思いが巡って、この映画で一番ボロボロ涙が流れてしまいました。あのおじさんとの人生をベイリーも「つまらなかった」と評価されちゃうのが切ないんですが、そんな苦さがなお、胸を締め付けられました。

 

 

 

 

あの後、おじさんはまた独りになっちゃうんだよなぁ、と思ったらなお、辛いです。ベタな犬とのHAPPYな日々みたいなのをイメージしてただけに不意打ちで非常に印象的なエピソードでした。

 

 

 

 

 

 

●すっごい困るこの映画の根本問題

 

 

一方で悩ましいところも多々あります。

中でもすっごく根本的な苦手な部分が本作が輪廻転生物であるところ。

 

 

輪廻転生の概念自体をあんまり好きじゃないので、そこんところをさくっと描いちゃってるスタイルが、ちょっと引っ掛かりを感じながらの鑑賞となってしまいました。そういう意味では相性、かなり悪めです。

 

 

たった一度の人生だからこそ、頑張れる・・・と思ってるので、後世があるって考え方はちょっと苦手です。

 

 

 

 

そしてもう一点。

動物にアフレコしちゃうようなところも正直あまり好きじゃないのです。

すっごく人間の物差しで犬を観ているような感じがしてしまって、この部分でも引っ掛かりを感じました。「ベイブ」ぐらい振り切ってしまえば、割り切れるんですが、そういうファンタジーな路線にも踏み込んでるのかどうかわからず、どれくらいマジで言っちゃってんのかわからないところが怖くて、肯定的に見れませんでした。

 

 

小さい頃は「どうぶつ奇想天外」が大好きだったんですが、今思うと複雑です。

 

 

 

そして極めつけは映画の予告編による完璧なネタバレ。

・・・といって言い程ラストにうまいロジックが待ってるわけじゃないんですが、メインストーリーであるイーサンとの再会を実感する瞬間になんの驚きも感動も持てなかったのは残念でした。

 

 

 

 

実はこれらの問題点を回避して、うまく物語を再現できている映画が邦画に存在します。

 

 

オムニバス形式の映画「犬とあなたの物語 いぬのえいが」内の松嶋菜々子さんと大森南朋のエピソードはまさに上記の点を回避して同様の物語描いておりました。今回の「僕のワンダフル・ライフ」を観てあらためてあの作品の良さを認識させられた気がします。

 

 

若年性認知症の恐ろしさも感じられる映画です。

 

 

 

 

 

 

そんなわけで犬映画というせいもあって嫌いにはなれないんですが、かと言って好きとも言えない複雑な気持ちもはらんだ映画でした。

 

 

やっぱね、犬はずるいです。

反則です。

 

 

 

 

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