名古屋・シネマテークさんでの最終日に滑り込みで鑑賞しに行って参りました。
ブレンダンとケルズの秘密
を観てきました。
公式サイト:http://secretofkells.com/
「ソング・オブ・ザ・シー海のうた」のカートゥーン・サルーン作品。
ただ、日本では公開が遅くて、実は「ソング・オブ・ザ・シー海のうた」よりも誕生は早い2009年の公開作なんですよね。かなり時間をかえての日本上映となっております。
観てきた感想をざっくり一言で言うと
ビジュアルは最高!
という感じの、なんだか含みのある感じ。実際含みはあるんですけどね。
もう少し詳しい感想を書いていきますね。
●可愛いビジュアルがやっぱりズバ抜けてる
カートゥーン・サルーン作品といえばなんといっても魅了はそのビジュアル。
「パワーパフガールズ」とか「デクスターズラボ」のゲンディ・タルタコフスキーっぽい幾何学的なキャラクターデザインに、より情緒観を足したような見てくれが絶妙な魅力を醸し出しております。
画作りもいちいち平面的なのも面白いです。
「ソングオブザシー海のうた」の時も『綺麗な絵本みたい』と例えたのですが、本作はより宗教画のような画面づくりになっていて、瞬間瞬間がとても美しい映画でした。
普通こんな見せ方しないよ。ゲロゲーロの胃袋かよ(右)。
映画の終盤、結構な惨劇が起こってしまうのですが、そこすらデザインが行き届いているせいか、綺麗に見えてしまうぐらいでした。これ、ホント可愛いビジュアルで良かったです。「ベルセルク」とかそういうテイストでやられたら目も当てられない凄惨な映画になっていたと思いますもん。
ちょこんとついた牛角のシルエットが可愛いバイキング一同。
●ケルズの書?すいません知りませんでした
“ケルズの書”というテーマ自体も面白い!
恐れ多くも、そういったものが実際に存在するとは知らなかったもので、映画を観た後にあの本が実在すると知って驚きました。
実在するんですってよ。
普段知りえない、文化だったり世界に触れることができるのも映画の醍醐味。
ケルト美術なんて意識しないと、触れる機会なんてそうそうないので、こうして新たな知見を与えてくれたこと自体にも感謝です。
●一方でちょっとパンチに欠ける・・・?
ただ私にとってパーフェクトな映画かというとそうでもなかったり。画は綺麗だし、テーマ自体にも新鮮さがあるのですが、物語自体がもう一歩!
妖精アシュリンという飛び道具的な存在もいるんですが、クライマックスでの活躍は今一つ。最終的な着地が本を完成させるという話なので、最後の追い込みもものすごく地味!
全体的に情緒的すぎて、鑑賞にも割と体力が要るような作品でした。
画の魅力あっての映画なのは間違いないと思うのです。
今挙げたようなところが「ソングオブザシー海のうた」に反映・改善されているのかな・・・と思うと、しっくりくるような気がしました。まあ今更2009年の作品を引っ張り出して、ここダメあそこがダメって言うのも変な話ですしね。
名古屋での上映は終了しましたが、地方によってはこれから公開の映画館もあるとのこと。
一見の価値はある映画ですので、是非お時間がありましたら、足を運んでみて欲しい映画です。
画が魅力の映画をせっかく大きなスクリーンで観れる貴重な機会ですので、お見逃しなく!
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