2016年も終了間近。
「2016年が始まった頃」と「2016年が終わろうとしている今」の2点で結んで考えてしまうので、なんだかあっという間に感じますが、今年は特に変化の大きい一年でした。
今年の最初の頃のブログ記事を今見てみて思い出しましたが
今年の目標は「人生改革」だったようです。
最近は雑誌に載ったり、ライター業なんかも始めたり、
さらにブログでは言うタイミングを逃して、載せそこねていましたがワタクシ、今年結婚を果たしまして、目標に適う一年になったんじゃないかな、と思っております。
そんな2016年。
アニメ映画界も様々な話題や傑作などが登場し、例年以上に賑やかな一年だったように思います。
そこで今回はそんな2016年のざっくりとした総括も兼ねて、
私の感じた“2016年のアニメ映画界”を
5つのポイントにまとめてみました。
●応援上映の大ヒット!
まずは今年アニメ映画だけに留まらず、映画界全体にまで波及した『応援上映』は2016年のアニメ映画界を語る上では避けて通れないかと思います!
映画「KING OF PRISM」がジワジワと応援上映効果で話題性を増して成功するや否や、「遊戯王」「ワンピース」「君の名は。」、実写映画でも「シンゴジラ」「ファンタスティックビースト」など、中にはあまり相性が良くなさそうな映画にまで集客方法として波及していきました。
市民権を得たというと語弊があるかもしれませんが、応援上映のような発声可能な上映回や客席参加型上映は格段に増えた一年だったように思います。今後も定期的に応援上映が実施されていったとして、後世で思い出した場合、恐らく「2016年がターニングポイントだった」と振り返るのではないでしょうか。
(こちらでキンプリ以前の参加型上映に関してまとめられておりました。なないち研<KING OF PRISM以前の観客参加型上映メモ>→http://kensetu.hateblo.jp/entry/20160109/1452265200)
●米国アニメ映画制作大手の明暗がハッキリと!
「ズートピア」「ファインディング・ドリー」「モアナと伝説の海」と今年1年を通して立て続けに大ヒットアニメ映画を送り出したディズニーは、実写作品も含め、海外興行収入が過去最高となりました!
一方で、かつてはアニメ映画制作でディズニーと双璧を成していたドリームワークスアニメーションは、コムキャストにより買収され、創設者のカッツェンバーグら上層部も経営から退き体制を一新。今年も「カンフーパンダ3」や「Trolls」などの傑作映画を送り出した一方で、「クルードさんちのはじめての冒険2」の制作の中止を発表したり、「ヒックとドラゴン3」が延期になったりと残念なニュースが続きがちでした。ここまで対照的になっちゃうとは・・・と、ドリワ大好き人間としては悲しさを感じる年でした。(ディズニーが嫌いなわけではない。)
ドリワの凋落に反して、堅実にブランド力を増しているのがイルミネーション・エンターテインメント。「ペット」や「SING」などの新IPを送り出し、「ミニオン」だけの一発屋じゃないところをしっかり数字で見せつけています。
2016年は、私がディズニーVSドリワといった構図で見ていた世界が変質し、ディズニーVSユニバーサル(ドリワ&イルミネーション)に転換する年でした。
●日本のアニメ映画のヒットが新たなフェーズへ!
そして再び日本興行の話に戻って、宮﨑駿監督が引退し(また復活するみたいな番組やってたみたいだけど一応)、ジブリが実質不在のような状態になったアニメ映画界。昨年の「バケモノの子」に首を捻ったり、不安に思った人も居て、この先ジブリ作品の様な100億規模の映画は出てこないんじゃないかという雰囲気の2015年を経た、今年2016年。
「君の名は。」というまさかのダークホースが記録的大ヒットを果たします。日本だけでなく海外でも評価され、ついに“ジブリじゃなくてもジブリ級の興行を果たすアニメ作品が生まれる”ということが証明されました。なんならジブリ以上です。
また、スケールは違えど、「この世界の片隅に」が68館の上映館スタートから口コミで集客が広がり、上映館もどんどん拡大、動員数ランキングでは週を追うごとに上昇する異例の動きを見せ・・・現在では興行収入8億円!10億に迫る大ヒット作品となっていることも見逃せません。
アニメ映画において、TVアニメ作品やジブリ作品じゃなくても、明確にすごい数字を記録できるということがはっきりした年ということは忘れられません。
●TVアニメ映画は高品質化が迫られる!
そしてアニメ映画の中でも、私の中ではさらに1ジャンルとして見ている“TVアニメ映画”においても、感じることのある年でした。それは“高品質化”が必須であることが明確になった年と思えたからです。
20作以上の公開を果たしている中でも『今年良い!』と思わせてくれた「名探偵コナン」や「ドラえもん」が、シリーズ最高興行収入を更新したり(「SBMドラえもん」を除く)、今年の「ユメミーワールド」自体には言いたいこともあれど、近年より一際努力が感じられる「クレヨンしんちゃん」も、しっかり高水準な興行成績を収めた年でした。
一方で、
このブログでも質の問題を以前から指摘していた「ポケモン」が去年に引き続き最低興行収入記録を更新しようとしていることに、ツケが回ってきた印象も感じております。毎年上映されるようなTVアニメ映画において、出来に波はあれど改善意欲が感じられていた作品たちと、このままで大丈夫か?と思っていた作品の興行収入の明暗がはっきり別れたと感じる年でした。
ここまではっきりと差が生まれたことに、「TVアニメ映画といえど、人気に甘えていては続かないこと」ということが、わかりやすく前例として示せる年だったと思っています。
●あいかわらず興行力が弱い“海外アニメ”
そして言わずにおけないのは、
やはり今年も感じられた、日本での洋画アニメの力弱さ。
2014年に海外アニメが『がくんっ』と上映が減ったかのように思いましたが、この年「アナ雪」の大ヒットがあり、今後はまた戻ってきてくれるのでは・・・なんて思っておりました。実際に2015~2016年とぼちぼちディズニー以外のアニメ映画も公開してくれてたりで一時よりはちょっと良くなったと思っていた矢先・・・
これからまた上映数が減っていかないかを懸念しております。
「アングリーバード」や「コウノトリ大作戦!」などの日本上映を行なってくれたのは良かったのですが、いかんせん興行成績としては目覚ましい活躍とは言えませんでした。そんな洋画アニメ作品の中でも、「レッドタートルある島の物語」がジブリの後ろ盾がありながらも、大爆死と揶揄される興行結果に終わったのは衝撃的でした。
(アニメだけに限った話ではないですが)洋画はどうも日本の映画興行では苦戦しがちです。「ドリワ作品を公開してくれー・・・」と昨今の私は口をすっぱくして唱えていますが、こんな風潮が続くとなると、ドリワどころかディズニーとイルミネーション以外の洋画アニメが、公開されなくなる時期が到来してもおかしくないんじゃないかと思っています。
2016年は「父を探して」や「ソング・オブ・ザ・シー」なども全国上映を果たしており、ある意味海外アニメ映画がとても充実した一年でした。しかし、逆に『あの年は良かった・・・』と思い返すような奇跡の年が2016年だった、なんてことにならないかが不安でしょうがありません。2017年、ディズニーとイルミネーション以外の洋画アニメもとい海外アニメ映画はどんなものが上映されるのかに要警戒です。
以上
5点が、アニメ映画界における2016年だったかな・・・と思っております。2017年は果たしてどうなっていくのか、期待と不安を感じながら、引き続き見守っていきたいと思います。
そんなわけで
2016年の「ねじまき恋文のヤブレター」の更新は、明日、恒例の一年の間に見た映画で良かったものランキングベスト59(キリが悪い)で締めようと思います。
よろしくお願いします。
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