【聲の形】の感想。聴覚障害が題材の映画?否!その実は快作群像成長劇なり! | アニメ映画情報ブログ【 ねじまき恋文のヤブレター 】

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比較的小規模公開ながら「怒り」に興行でうち勝った一作です。

 

 

 

聲の形

を見てきました。

 

 

「けいおん!」「たまこラブストーリー」の山田尚子監督最新作。

同名の漫画を原作に、アニメ映画化した一作です。

まさに今日の午後に見に行ってきたのですが、台風で早く帰されたであろう学生たちでいっぱいでした。

 

 

 

 

 

 

 

見てきた感想をざっくり言わせて貰えば

 

 

 

 

 

手堅い傑作!!

 

 

 

 

でした。

もうちょっと詳しい感想を書いていきますね。

 

 

 

 

 

 

●一辺倒でない山田監督のちゃんと“最新”作!

 

 

山田尚子監督のフィルモグラフィーとしてはひとつ上の段階にいった一作!「けいおん」「たまこまーけっと」といったTVアニメ作品群の劇場版を手がけてきた同監督としては、漫画原作作品ではあるもののTVアニメなどの後ろ盾がないほぼ新IP作品を初めて務めました。

 

 

 

 

だからこそ、なのか、今までの劇場公開作品としてはやっぱりひと味違う作品でした。

「たまこラブストーリー」がかなり私好みだったので、今回もその流れで“恋愛アニメ映画”で来るのかなー、と勝手なイメージしていたのですが、そこはしっかり最新IP恋愛も含めた、群像の成長劇として見事な一作が出来上がっておりました。

 

 

つまり山田尚子監督作品としては最も大衆向けと思える一作!

TVアニメの予習も不要!

オタク向けといったニッチな対象層の想定も薄め!

場合によっては足をひっぱりそうな、そういった今までの足かせを取り払い、一から楽しんでもらう物語として秀逸作品を作りあげていました。

 

 

TVシリーズからの継続作品としてではないからこそ、演出ひとつひとつや登場人物の描き方も一から演出していくことになるので、山田監督作品を一から素直に楽しめるという新体験を楽しめる映画としてすでに有意味な一作でした。


 

アニメ的に×印演出にはちょっと否定的に思ってますが、具体的な根拠が自分の中で見つかってなくて、まだ思いを巡らせてます。

 

 

 

 

 

 

●障害の扱い方のバランスは絶妙!

 

 

本作は、題材・・・というか物語のきっかけである“聴覚障害”の扱い方が絶妙だと思うのです。

根本的にこの映画は『聴覚障害を理解しよう』みたいな限定的な意味合いの作品ではなく、あくまでも『自分が罪を犯した時にそれとどう向き合うか』とか『失った友情をどう埋めなおしていくのか』という側面の方が圧倒的に強い映画です。

 

 

 

 

自身がそういった障害は持っていないながら恐れ多くも進言させていただくと、あくまで障害を一個性のグレードでしか障害を扱わない作品として、とても新鮮で興味深く見ることができました。

 

 

題材が題材だけに、“聴覚障害”に対して、字幕云々とか聴覚障害を持った方向けの映画対応や、作中での演出や描き方とか、こうあるべき論なんかも語られやすい作品になりやすいと思いますが、はっきり言って、そんなに聴覚障害がどうとかって言及する映画じゃないです。

 

障害に対する掘り下げが甘いとか、字幕対応がイマイチとかそういう意味よりも、全国上映規模のシネコン映画、しかも京都アニメーションの生粋の萌え型イラストの恋愛/友情映画で、障害要素がこの按配で盛り込まれることの方が私は価値があると思うのです。

 

 

 

 

「障害=個性」とまでは言わないけど私自身が「障害≒個性」という割り切りが一番平和的な正答だと思っていまして、私は本作の障害への向き合い方は十分真摯に思いました。

 

変に『障害者向け映画』みたいなジャンルこそ生まれてほしくないので、私は本作の按配を支持しますよ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

●本作の癒やしキャラ!長塚くんに最号泣!!

 

 

見た目の可愛さや演出の巧みさでこそ、かなり緩和されていると思うのだけど

やっぱり話しの中身は、いじめに障害、自殺など結構ハード。

そんな内容だけらの作品の緩衝材としてソフトに見せてくれているのが

長塚友宏くん!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

見た目は「スティーブンユニバース」のスティーブン。

ディフォルメされた見た目からして、本作の中でもぶっちぎりで、ギャグポジション。気取り屋で、言動が異常、良くも悪くも空気が読めないキャラクターでもあるんだけど、実直で仲間思いで、なによりも孤立した石田くんに最初に手を差し伸べてくれたり、石田くんの背中の最後のひと押しをしてくれたりと、石田くんだけじゃなく映画全体に明るい光を差し伸べてくれるキャラクターでした。

 

 

だからこそ!

中盤のとある展開で彼が一時的に作品からフェードアウトする時の喪失感は大きかったし

クライマックスでは一番涙を搾り取られました。

長塚くん!!

ほんと最高だよ・・・!!

 

そんな気持ちが“恋愛映画”という側面に対しても、“友情映画”としての側面の見え方の方が強かった映画でした。

恋愛映画を期待して見に行った身なので、期待してた物とは違ったけど、全然これはこれで最高でしたよ!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

原作から結構削られている部分もあるようなので、原作を読むとまた見え方も変わってくるのかな・・・。これから勉強しようかな、と思っています。

「君の名は。」好き層にもいい感じでハマる一作だと思います。

ぜひ多くの人に見てもらいたい映画でした!

オススメです!!

 

 

 

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