中国映画「左耳」の感想。思えば青春にはたくさんの狂気がはらんでいた。 | アニメ映画情報ブログ【 ねじまき恋文のヤブレター 】

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久しぶりに彼女と中国映画デートへ行ってきました。(ノロケ)

左耳


中国映画左耳
を見てきました。




<あらすじ>
17歳の女子高校生・李珥(リー・アル)は左耳が不自由で、 左側から話しかけられるとよく聞こえない。 内向的で目立たず、友達もいないリー・アルは、ある日突然、 優等生の許弋(シュー・イー)を好きになるが シュー・イーは黎吧啦(リー・バーラー)と交際を始めてしまう。 傷ついたリー・アルだが偶然にリー・バーラーと友達になり、 リー・バーラーが本当に愛している張漾(チャン・ヤン)とも知り合う。 その後、リー・バーラーは不慮の事故で世を去り、 リー・アルはシュー・イーと交際を始めるのだが……。

引用:http://karyumatome.blog.fc2.com/blog-entry-156.html?sp


定期的に鑑賞の機会に恵まれる、中国の青春映画物。
見てきた感想をざっくり言えば


割と楽しかった

感じでした。
もうちょっと詳しい感想を書いていきます。






●根本的な話―「左耳」って映画がどんな作品なのか?

この「左耳」って映画は中国の作家/饒雪漫さんの小説を原作に
実写映画化を行なった作品です。

念念万物成長


ちょうど最近まで中国では青春映画ラッシュが続いておりまして
「念念」「万物成長」などの青春映画が上映されておりました。
そんな中でこの「左耳」が頭ひとつ抜けた興行成績になっているよう。




青春映画がなんで、こんなに流行ってるのかって話は
こちらで言及されているので置いといて・・・
そもそもこの映画を見た後の感触が
青春映画を見た時の物とは違う感じがしたことをお伝えしたいです。

前提として
青春映画って何なのかって話から入らなければいけないのですが
ウィキペディアにも「青春映画」って項目がありまして
若者特有の夢や挫折、友情や初恋、冒険と旅立ちを描いた映画のジャンル
と書かれております。



ただ、青春映画の肝って「その時代でしか味わえないなにか」
みたいな部分を孕んでいるかどうかにあると私は思っておりまして
その点、この映画のターニングポイントとして描かれているのは
“黎吧啦の死”なのです。

時間の経過の理不尽さとも違うきっかけで、
後半の物語が推進していくので
正確には青春映画ではないって感じがしましたね。


 





●陳都霊の不思議な魅力・・・っていうか
 キャラクターがそもそもトチ狂ってないか。


で、この映画、どうも違和感を感じざるを得なくて
特に主役の李珥の行動にツッコミをいれたくてしょうがなかったです。

左耳の陳都霊


映画の主役を務めるのは陳都霊(チェンドゥーリン)。
中国の全国ミスキャンパスの人気投票でトップに立ったというだけあって
清楚で神秘的な魅力に初見から目を惹くものがありました。
確かに可愛いです

・・・・・・が、
次第に容姿よりもキャラクターの奇行の方が目につくようになります。
物語中盤までは黎吧啦を中心に物語が進んでいくので
主役の陳都霊が食われ気味。
おかげで陳都霊に感情移入させる準備が完全に整う前に
黎吧啦がフェードアウトしてしまうので
陳都霊のキャラクターや意図が掴めないまま
見てる側は後半に投げ出されてしまいます。

そのせいで主役の陳都霊が
ただのトチ狂ったやつにしか見えなくなるから困った所。

いくら初恋相手だとか黎吧啦のツケだからって、
クズ男の許弋に貢いじゃうところとか
「何してんの!?」と声に出ちゃいましたね。

血迷ってる

許弋くんも同情の余地はあるんだけどね・・・いや、やっぱこいつはクズですよ。

なんなら物語のキーとなる左耳の話ですら
クライマックスの“あの”シーンが出るまでは
あまりクローズアップされない設定なので
いざ、大事なシーンで使われても
ギャグにしか見えないという事件が起きていました。

(泣きのシーンで笑いが起こってしまってる)

群像劇って、キャラクターがいっぱい出てくるので
描き方のバランスが難しいっていうのがよく分かる
映画だったと思います。







●青春という狂気の世界にようこそ

ただ・・・ここまで苦言を呈しておいてなんなんですが
実際の若いころって
確かによく分かんないことしちゃうよね。

あとあと
「なんであんなやつが好きだったんだろう」とか
「あの時の自分はどうかしていたよ!」
省みることって結構だれでもあると思うのです。

それを考えると陳都霊の若干の血迷い行動のひとつひとつも
若気の至りの映像化として・・・
意外とリアルに近いような気もしてきました。

陳都霊


結局それも時代の経過の理不尽さの一つであって
やっぱり今作は“青春映画”としての側面を持っていた、
という結論に至ってしまうわけでございます。
変なバランスの青春恋愛映画でございました。

青春とはこういう狂気をはらんだ世界なのだな、と
我々に教えてくれる一本でございます。










最後に映画が終わってから彼女から
「愛の告白はハートに近い左耳からするといい」ってジンクスを
教えてもらい、そういうのを受けての・・・左耳って題材なのかな?
とも思ったのですが
それにしてはあんまり左耳が物語に絡んでこなかったですよね。
あの一件のためだけにあるような設定感でした。

心先輩



ロケ地がすっごく綺麗でした!とか
幼なじみのメガネくんがせつない!とか
いろいろ細かい言いたいこともあったのですが
とにかくやいのやいの言いながら楽しめる映画だと思いますので
是非、日本で上映される機会があれば
一度ご覧になってみてはいいんじゃないでしょうか。





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