昨日は、任天堂の主役級キャラクターが勢揃いするゲーム
「大乱闘スマッシュブラザーズ」に
追加データとしてミュウツーが配信された日です。
(3DS版とWiiU版購入者の先行配信なので一般販売は月末)
発表当時はそれほど興味はもっていなかったのですが
いざ、当日となるとやはり気持ちの高揚があります。
ミュウツーかもおおおおおおおん。(ダウンロード中)
そんな高揚感から、久しぶりに
ポケモン映画第1弾「ミュウツーの逆襲」を流し見ながらも見てみた。
当時小学生で、ポケモンに夢中だった頃を思い出しました。
そんな中、ふと気になったのはエンディング。
最近のポケモン映画と比べ、不自然なぐらいにポケモンが登場しません。
サトシとその仲間たちがひたすらいろんな土地を巡る映像と共に
小林幸子さんの名曲「風といっしょに」が流れます。
(さすがにピカチュウは一緒に居るんだけど)
「これ、絶対意図的にポケモンを入れてないよなぁ」
と思った私は真相をさぐるべく、いろいろ調べてみたところ
理由はみつかりませんでした。
まあ、いつかの宿題にとっておくとして、
調べている間に思わぬコラムを見つけました。
ポケモン映画第1作、第2作で脚本を務めた
首藤剛志(しゅどう たけし)さんの連載コラムです。
すでに2010年に亡くなられていたのですね。
お引っ越しする前のWEBアニメスタイルにて
2005年~2010年にかけて
「シナリオえーだば創作術だれでもできる脚本家」という
首藤さんの脚本に関する連載が行われておりました。
ここで首藤さんが脚本を担当したポケモン映画3作品について
かなりガッツリ語られております。
これがなかなか知らないよう眉唾ものの裏話ばかりでビックリ。
中でも劇場版第二弾「ルギア爆誕」は苦労をかけて生み出した作品のようで
かなりの回数に分けて、制作していた頃の話をしています。
かなり興味深い内容ばかりだったので
中でも目を引いた内容をいくつかピックアップして紹介しようと思います。
_____________________________
●「ミュウツーの逆襲」は当初から
世界に通用する作品を意識して作っていた。
今でこそ全米での邦画の成績で、不動の1位の座に君臨する
「ミュウツーの逆襲」なのですが、脚本製作時から世界で通用するものを
意識していたことが第167回や171回でじっくり書かれています。
作品テーマである「自分とは何か」が宗教観の違う他国で
通じるかどうかを真剣に考えていることが伺えます。
●ミュウは最初べらべら喋るうえに
ミュウツーをめっちゃ挑発する予定だった
同じく第167回やその他のところでも書かれている内容。
本編では「みゅ~」としか鳴かずに自由気ままに浮遊しているミュウですが
首藤さんは当初ミュウに
「所詮、お前は、コピーにすぎない」といった
ミュウツーをいたぶるセリフをたくさん用意していたことを明かしています。
脚本の第一稿にはミュウのセリフがたくさんあったそうです。
現在のような、悠々自適なミュウに勧めたのは、監督の湯山監督の
意見だったようで、これに関してはナイス案!って感じがしますね。
●「ポケモンショック」がなかったら
脚本が通らなかったかもしれない
コラム内で何度も言及されているのですが
「ミュウツーの逆襲」の脚本はもともと
暗い、重い、派手さがない、冒険活劇のわくわくする高揚感がない
ということで制作上層部から否定論が降りかかりそうだったが
同時期に“ポケモンショック”が起こり、TVアニメ放送休止などで
ゴタゴタしてたおかげで、直しの注文が続々出そうだったはずが
比較的スムーズに脚本が通ったよう。
他のポケモン映画に比べて、かなり逸脱したシリアスっぷりを
「ミュウツーの逆襲」が携えているのはこういった理由があったようです。
●タケシは細眼で
東洋人に見えるという理由でレギュラーから外された
ポケモンのTVアニメで長い期間レギュラーキャラクターを務めていた
タケシというキャラクターがいるのですが、彼が一時期
レギュラーを降ろされていた時期がありました。
これは割と有名な話ですが、このコラムでも第185回で言及されています。
タケシが細眼という特徴を持つせいで東洋人を意識させるため
欧米では東洋人は受けないと判断した上層部により
レギュラーを降ろされてしまったそうです。
幸い、タケシは欧米人に人気があると上層部が気づき
レギュラーに復帰し、その後長い期間サトシと一緒に冒険を共にします。
●ポケモン「ルギア」は映画のために生まれた
劇場版第二弾の「ルギア爆誕」に出てくる主役ポケモン「ルギア」は
公開当時に原作であるゲームシリーズには登場していないポケモンでした。
そんなルギアは、首藤さんが
「この映画のためには、
深層海流に住むオリジナルのポケモンを出したいんですけれど」
という提案を出したことにより生まれたと第186回で言及されています。
最初からゲームに登場させるという前提だったようではなく
後々ゲームにルギアが登場していることを首藤さんも
後から知ったというエピソードもありました(第193回)。
今では映画公開の一、二年前にはゲームの中に
映画用のポケモンデータが入っていたりするので
現在ではルギアのような流れでポケモンは生まれてないみたいです。
●脚本の首藤さんは
「ルギア爆誕」のルギアは女性声にしたかった。
第188回以降で言及しているのですが、
「ルギア爆誕」には脚本上の失敗があると首藤さんは思っていたようです。
ルギアの声を男声にすると決まってから女声にしておけば良かったと気付き、
そこから半ば強引に男性的なルギアに必然性が出るように
寄せていったエピソードがかなり長めに書かれています。
理由をざっくりいえばルギアは海の象徴でもあるので
「母なる海」って言葉もあるぐらいだから、
母性的な象徴として女性の声が必然だという考えなようです。
●首藤さんは「ルギア爆誕」のエンディング曲は
大失敗と思っている。
第188回の終盤でさらっと述べていて笑った。
安室奈美恵の「toi et moi」って曲です。
割と雰囲気がマジであってない曲だと思います。
●「命をかけてかかってこい」って
本編にないセリフは首藤さんも知らなかった。
「ルギア爆誕」の特報は私の中で忘れられない特報でして
ルギアが『命をかけてかかってこい』と唱えるシーンが
子供心ながらかっこいい!と重い印象的な予告となっています。
しかし、いざ映画が上映されると衝撃の事実が発覚します。
本編では全然そんなこと言わない!
なんなら、ルギアはサトシを助けてくれる側だし。
そんな話が違う特報がこちら↓
首藤さんも第191回でこの特報にちょっぴり言及しており
“いつのまにか”できていた宣伝文句だったようです。
●意外とTVアニメで謎だったGSボールの真実
ポケモンのTVアニメではオレンジ諸島編という期間があります。
その中で、主人公のサトシくんはGSボールというアイテムを
オーキド博士に届けるというおつかいを頼まれます。
作中、このGSボールがすっごく意味有りげに扱われますが、
最終的にこのアイテムが結局なんだったのかは全く
作中で触れられることなくフェードアウトします。
GSボールとはなんだったのか・・・そんな謎を解き明かす証言として
今回コラム中に首藤さんのGSボールに関する記述を発見しました。
第193回。
・・・・・・。
考えてなかったんかい!
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というわけで、特に私が驚いたことをピックアップしました。
興味をもった方にはぜひとも密度のひじょーに濃い
コラムそのものを読んでみてほしいな、と思います。
シナリオえーだば創作術バックナンバー
なーんて記事を書いているうちにミュウツーをダウンロードできました。
今日からしばらくはミュウツー漬けだ!
(しっかり仕事行きます。)
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