【おおかみこどもの雨と雪】をもう見た人じゃないと見ちゃいけない記事 | アニメ映画情報ブログ【 ねじまき恋文のヤブレター 】

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おおかみこどもの雨と雪 を見てきました。




ねじまき恋文のヤブレター-おおかみ





もう終始ボロ泣きでした。


トイストーリー3以来かもしれません。


開始数分でボロ泣きしちゃったのは。


笑えるシーンもちゃんと笑えるしステキな映画ですよね。





トータルで見て


やっぱり今作は大傑作だと思います。








まだ自分の中で完全に理解しきれてない部分もいくつかあるんだけど


「あぁ、いいなぁ・・・」って思うシーンがいくつもあって


すごく好きな作品になりました。







言いたいこといっぱいありすぎるので


今回は「演出」の部分に絞ってあーだこーだ言いたいとおもいます。




監督の細田守さんは元々、アニメの演出をなさっていた方なので


監督作品でも毎回、おぉっと思わせる演出が用意されています。











あ、ちなみに





おもいっきりネタバレ記事です


以下注意








・おおかみおとこの彼の扱い


ビックリしたんですが、このキャラクター名、名前がなくて「彼」なんですね。


マジかよすげぇ・・・って思ったのはそこじゃなくて


彼のフェードアウトの仕方です。


あの、ドブで死んでるっていう衝撃。


そして文字通りゴミの様に捨てられてしまう彼。


普通に考えてオオカミの死体をあんな風に処理しねぇよ!!


ってツッコミも入れたくなるぐらいかわいそうなシーンです。


でも現実の「死」ってのは必ずしもドラマチックではないし


むしろ“儚い”とか“惨め”な部分の方が際立つことが多いです。


ドラマチックすぎると所詮空想と思ってしまう部分があります。


酷いなぁと思いつつも確かにこれは正解かもと思いました。








・雨と雪の小学校進級シーン


雨と雪が小学校に入学して、進級シーンの演出。


あっすごい!と思ってしまいました。


単純に考えると


「小学校のクラスルームを低学年から高学年にスライドしていくシークエンス」


なんですけど


台詞もないこの短いシークエンスの中だけで


・雨と雪の学校での過ごし方


・雨と雪が学校では対称的な状態にあったこと


・雨と雪がこのシークエンスの間に時間軸が進んで成長したということ


が一発で伝わるつくりになってるんです。


これって結構難しいことで


下手な映画監督ほど、


心情や時間経過などをセリフとかで説明しちゃいます。


それに比べたらこの演出は


かなりCOOLです。


っていうかセリフでやっちゃうなら映画じゃなくて


本や小説でできる手法ですよねー。


そういうことをやっちゃう日本映画、結構多いです。






・雪が草平に自分がおおかみこどもだと打ち明けるシーン


終盤。雪サイドのクライマックス。


私はもうここ、ボロボロ泣いてました。


ここもすごく良かったんですよ!!


カーテンがふわっ・・・と雪の前にかかって、


その瞬間雪がおおかみの姿になってるんです。


で、すごいのはその後。


草平が雪がおおかみこどもであることを受け入れてくれます。


そのラスト、人間姿の雪にもう一度カーテンがふわっ・・・とかかります。


さっきの演出とまったく同じ構図!


なんだけど、


今度は人間の姿のままです。


つまりその後完全にオオカミという道を歩んでいく雨とは


対比的に、「雪は人間の道を選びましたよ」ってことを


感覚的に見せる演出です。


・・・憎い。うまい。すてき。


すごくいいです。






他にも


「彼がいなくなったあとの花を入れていたビン」とか


「学校にある階段の踊り場の鏡」とか


「最後雨に一瞬だけ動揺の顔をさせる」とか


ところどころ、いいんです。


すごくいいんです。






ちょっとニッチな部分かもしれないけど




絵がすっごくキレイだとか


声がすごく合ってるとか


話がすごく素敵なところとか


監督が目指した自然表現がすげぇ!とか




そういった部分と一緒に


今作の演出ってすごくいいとも思ったわけでございます。






今年のアニメ映画では今のところぶっちぎりで一番の作品です。


「おおかみこどもの雨と雪」


いい作品です。





SWITCH 30-8 特集:細田守『おおかみこどもの雨と雪』はこの世界を祝福する


↑今、この本探しています。


ライムス宇多さんとアニメライターでもある古川さんによる


「おおかみこどもの~」の演出についての記事がのってるらしいのです。


早く欲しい!!