新作、そして己との対峙 | Neimii~和装生地/古布の創作~

Neimii~和装生地/古布の創作~

箪笥に眠っている着物、出番のない大切な遺品など、古い稀少な正絹を、伝統和装の良さを活かすような洋装にと、製作しています。

100%満足できる製作…それは遠い

また満たない技術、未熟さを思い知らされる

次の作品に反映する努力を、継続してゆくしかない

2月24日のショーでの披露に、間に合いました新作4品をご紹介


こちらのショッキングピンクから




古い着物とは思えない、健在な鮮やかさ

扇や家紋のアレンジのような大柄、とろみのある柔らかい素材を活かして、細かいタックをほどこし、ほどいた小紋を惜しげもなく思いきって使用

モデル様のイメージから、個性的にアシンメトリー、エレガントにもクールにもチャーミングにも、コーディネートできる品に


次は男性用のロングジャケット




女性物の紬に、黒い羽織のバイカラー

異素材の組み合わせは、生地同士が馴染んでくれるのかという挑戦、勇気が必要

ショールカラーを選択、そのまま襟を下ろしたラフな着こなしや、マフラーのようなアレンジなど、動きを楽しんでいただきたい品


3品目は、お子さま用の初オーダードレス





上品な紫に小花柄が、とても可愛らしい、滑らかで密な織の稀少な着物

光の当たり方で、シックな倫子の地織りが浮き出て、古き善き時代を懐かしく感じる素材

小学生のお嬢様の笑顔を思い浮かべながらの製作、合わせには2色のオーガンジー使い、コサージュと髪飾りも添えて


最後は色打掛からの艶やかな作品






ショーを締め括る華やかな品

美しいグリーン、豪華な総刺繍と柄行きを活かすよう、極力シンプルに

しかしながらオリジナル品には、着物らしさをデザインに残すという軸は譲らず、左上前という形を貫く

一見ドレスに見えますが、サイズ調整が可能なようにと、トップスと巻きスカートというセットアップ仕立て


耐久力、持久力、だけでは、とても追い付かない、いち人間としての不甲斐なさを、根本の甘さを、辛辣に痛感

前回のblogは過去のもの、更なるハードル、課題が、次々に待ち構える

凹んではいられない

ショーの反省から教わり、そのような経験をさせていただけるという環境は、自分に注がれる、恵まれた思い遣りや愛情という財産であろうから