自戒 | Neimii~和装生地/古布の創作~

Neimii~和装生地/古布の創作~

箪笥に眠っている着物、出番のない大切な遺品など、古い稀少な正絹を、伝統和装の良さを活かすような洋装にと、製作しています。

"昨日"思い描いた通りの"今日"というのは、なかなか訪れません

常に現状というものは変化し、自分にも家族にも、取り巻く周りにも、更には日本社会や世界中でも、想定外の動きや出来事や問題が起こります

それに対応する方法は、自らの選択

その判断に於いて、わたくしは大切な人を傷付けてしまう選択をしました

自戒の念を深く胸にし、仕事をしています


イタリアのショーで使用する品は10点

既に仕上がった品は5点、製作中の品が2点、素材とデザインが決まり下処理済みの品が2点

そして漸く、最後の品を決めました

昭和初期のものと思われる長羽織、紫色

生地が不足でなければ、サーキュラー風が素敵かしら…と製作を始めました

もう1つの仕上がったミドル丈はこちらです


赤紋様がエキゾチックな帯地をメインに、4種類の素材を接ぎ合わせました

綺麗なAラインの巻きスカート、全体を黒コーデでモダンに演出します

メンズの1品はお宮参りの鎧兜柄、辛子色が渋いロングジレ

インナーとパンツはタイトな白、長身のイタリア人モデルがサラッと羽織り、なびくシルエットを想い描きます


メンズのもう1品は、仕上げの段階

腰に巻くアシンメトリーなスタイル、黒のトップスとスキニーに編み上げブーツを合わせる、個性派モード系のイメージ

ビタミンカラーのミニ丈2品は仕上がり、ロングのあと1品も間もなく完成

……一人では、到底ここに至っていません

2年ほど前の自分を思い返しながら、ほどきの作業をしています

実家に眠る着物たちを甦らせたい、ただその想いで、自分が良いと思う形を、試行錯誤し始めたこと


ほどいて湯通し地直しをし、着物らしさを残す日常着に…と、全工程を一人で行っていた頃

今考えると、贅沢すぎる時間でした

時々刻々と毎日は流れ、理解者や支援者の温かい応援をいただけるようになり、自分の行く先が広くも重くも感じるようになりました

人々と関わり合うこと、経営者になるということは、大変な責任や覚悟が伴います

強くなりたいです

自分軸をしっかり保ちながら、他者を思い遣ることのできる、わたくしの考える強さ

真に優しいとは強いということ

人を傷つける選択をした未熟な自分を、決して忘れず戒め、今すべき事に全力を注ぎます

等身大の自分に正直に