ただ、前を向くのです | Neimii~和装生地/古布の創作~

Neimii~和装生地/古布の創作~

箪笥に眠っている着物、出番のない大切な遺品など、古い稀少な正絹を、伝統和装の良さを活かすような洋装にと、製作しています。

先頃、誕生日を迎えました

沢山いただいた"おめでとう"が、胸にジン…と沁み渡り、身が引き締まりました

翌日からの三連休は、一つ歳を重ねられた有り難さの中、独り三連勤(笑)

今の状況、浮かれてはいられません

ココでやらずしてイツやるの?…さぁ、と前を見ます

ロングのwasukaとガップリ四つ


まずは既婚女性の第一礼装、黒留袖

古風な色合いの鳳凰と、動きのある藤が美しく、流れる跳び柄が個性的です

もう一つは、女児には珍しい五つ紋付き

金刺繍の鳳凰がアンティークな、とても古いお宮参りの着物


同じ鳳凰でも、この違いを愉しんでいただける二品のロングスカートになりそうです

乳呑み子が羽織る小さな着物、シミも多く有効生地が少ないため、刺繍と相性の良さそうなシルバーの帯地を合わせます

裏打ちが必用で繊細な生地、もうやるしかない!と気合いで取り掛かります

誕生日ギフトに囲まれ…大きく深呼吸


1800年代、イタリア北部で蔓延した微粒子病により、養蚕業が壊滅的な打撃を受けました

質の良い絹糸と蚕種を求め、外交官や軍人、商人らが、日本に渡ったそうです

彼らにより持ち帰られたものは、蚕と絹という物質のみならず、"ジャポニズム"を受容する友好関係や、架け橋となる絆のようなものでもあった気がいたします

両国の歴史を祝う祭典に参加させていただける、わたくしは恵まれし者です

受け継がれてゆくべき国境を超える敬意

今は前だけを見ます