レジンでピンズを作る | よいおとこのどうぐばこ

 

同業者の知人からピンバッジを作ってほしいと頼まれました。

 

 

 

 

スーツに付けるそうで、デザインは英語アルファベットのZで、カラーはメタル調のシルバーとブロンズ、数は30個(シルバー15個、ブロンズ15個)だそうです。

 

 

 

 

そういうのは、プロの業者に依頼してくださいと、即答で丁重にお断りしました。

 

 

 

 

でもピンズは小さいから作るのは容易かもと考えてしまって、最終的には折れて、依頼を受けました。w

 

 

 

 

ということで、仕事が忙しかった時期でしたが、ピンバッジを作ることになりました。

 

 

 

 

 

はじめに原型を作りました。これを複製して、同じ形のピンバッジを30個作ります。

 

 

 

Zって文字は、今まで気にしたこともなかったですが、改めてよく見るとカッコいい形ですね。

 

 

 

 

 

原型を複製する為の型をシリコンで作ります。

 

 

 

硬化剤を入れて良く攪拌して、気泡だらけになったシリコンを真空保存容器に入れて、ポンプにて容器内を真空状態にして、15分くらい置いてから、シリコンを型枠に流し込み、シリコンモールドを作ります。こうすると気泡が一つも無いきれいな型を作れます。

 

 

 

 

 

シリコン型が完成したら、これにレジンを流し込んで、原型を複製します。

 

 

 

 

 

レジンも硬化時に必ず気泡が出来てしまいますが、圧力鍋を利用すると気泡を無くすことが可能です。画像は圧力鍋の蓋の内側ですが、このように蓋に自転車のチューブを切ったものを取りつけて改造したものを使用します。蓋に穴を開けたり加工していないので、使用後はチューブを外し、また元の調理に使う圧力鍋に戻すことも出来ます。またこの鍋は安全弁が付いているので、空気を入れ過ぎても爆発しないので安全です。

 

 

 

 

 

使用するレジンは少量なので、今回のように沢山作る場合は、A液、B液を100均で買ってきたドレッシングボトルに、あらかじめ入れておき、ペットボトルのキャップで作ったスプーンを使って各液を計量して、紙コップで混合してから型に流し込むようにすると作業が楽です。紙コップは、毎回捨てていたら経済的でないので、同じものを最後まで使い続けます。

 

 

 

 

 

シリコン型に、A液・B液を混合したレジンを流し込んだら、その型を圧力鍋の中に入れて蓋をして、自転車の空気入れポンプで、安全弁から少し空気が漏れるまで鍋を加圧してレジンが硬化するのを待ちます。

 

 

 

 

 

硬化したら型から取り出して複製完了です。(白いものが複製品)

 

 

 

ただレジンを型に流し込んで、常温で硬化させると必ず気泡が出来て、作品が台無しになってしまいますが、このように加圧してやると気泡が出来なく、きれいに抜くことが可能です。

 

 

 

レジンの複製で、気泡に悩まされている方はこの圧力鍋で加圧する方法をぜひ試してみてください。

 

 

 

 

 

次に、塗装にてメタル調に仕上げます。シルバーを塗装した後にエナメル系塗料の黒でスミ入れしました。これで金属っぽい感じになります。それにピンズの金具を取り付けて完成です。

 

 

 

 

 

原型を複製したものを塗装して、どんどん作ります。

 

 

 

 

 

ブロンズ調のものはカッパーで塗装した後に黒でスミ入れしました。

 

 

 

 

 

1個、複製するごとに圧力鍋を自転車の空気入れポンプで、かなりの回数をポンピングして加圧するので、腕の筋肉が鍛えられます。w

 

 

 

 

 

30個完成しました。オマケでゴールドや赤の成形色無塗装も作りました。

 

 

 

 

 

作業は、仕事が終わってから寝るまでの夜間しか出来ませんが、3日で仕上げました。1日目は原型とシリコンモールドを作り、残り二晩で複製と塗装を根性でやり遂げました。

 

 

 

 

ピンズは小さいから作るのは簡単だと完全になめてましたが、実際に作ってみると、やはり素人には30個は大変でした・・。

 

 

 

 

依頼を受けたことを少し後悔。

 

 

 

 

まあでも、今回は腕の筋肉を鍛えられたので良かったです! (ポジティブに変換。これ重要w)