レオナルド・ダ・ヴィンチ | つくば暮らし(隠居日記)

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気が向いたときに更新される日記です。

机の上に積んであった中から1冊取り出し読んだ。

池上英洋の「よみがえる天才 レオナルド・ダ・ヴィンチ」である。

 

 

2020年5月に出版されたものであるから3年程寝かせておいたことになる。

レオナルド・ダヴィンチについては、ウォルター・アイザックソンの「レオナルド・ダ・ヴィンチ」や田中英道の評伝で満足していたのだが、日本人の若手研究者の観点からの本も面白いだろうということで買ったものである。

 

 

その中からモナリザについて紹介しよう。

 

ひとつは、モナリザの背景に描かれている風景についての考察である。

「レオナルドは自然界を観察していく過程で植物と人体の構造に似たデザインを見出します。 地球を流れる水を、人体における血液に等しいものと考えます。・・・モナリザの風景を見直すと、画面中央左側に描かれた地中で赤く熱せられた水が、細いつうろをうねうねとのぼって上方の青い大海へと出ています。 地表では険しい山々が出現し、画面右側奥へとつながります。 右奥では豊かな大海の水が、時間をかけて徐々に川を創り出し、その終点には、この世界で人類の存在を唯一感じさせる橋が誕生しています。・・・

レオナルドにとって生命をつかさどっているものは水ですが、モナリザでは、川の流れはまた戻ってきて、女性の体内を貫通して左側の地中の管へと再び繋がり、ひとつの大きな輪廻転生のサイクルを創り出しています。そしてその起点が女性の心臓のあたりに重なる・・・」

 

またモナリザのモデルについても、新しい見方を示しています。

「モデルの特定に注目が集まりがちな作品ですが、たとえ最初の制作動機が特定人物の肖像画であったにせよ、注文が失効して彼の個人的な作品となってからは、彼が考えた理念をこそ描き出す場となったに違いありません。  ・・・普遍的・理想的な女性像を描く場合、その原型として彼が思い浮かべるのは、やはり母親なのかもしれません。

同性愛者であればこそ、そして幼少時に実母とはなればなれになったからこそ、彼は女性に対して、性的対象としての官能性よりも母性をこそのぞむはずです。」

 

作者池上英洋の鋭い分析が面白い本でした。

 

 

 

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