つくば暮らし(隠居日記)

つくば暮らし(隠居日記)

気が向いたときに更新される日記です。

 

 

先週空海展に行き、空海のことが気になり、以前買って机の上に積んでおいた新書を取り出した。

松長有慶の「空海」である。

 

 

日本中に大師様として広く信仰されている空海(774~835年)は、讃岐国(現在の香川県)に生まれ、若くして仏教を学び、804年に遣唐使として唐へ渡る。長安で密教を学び、密教の高僧恵果から後継者に指名され密教の奥義を授けられてわずか2年で帰国。日本に真言密教を広め、高野山を修行の場として開く。

 

著者は空海の思想を「仏の世界は、現実世界とは別のどこかにあるのではなく、私たちが生きているこの世界そのものに、すでに仏の真理が現れている」と説明する。

たとえば、空海の思想では、山や川、植物、人間など、あらゆる存在は単なる「物」ではない。それぞれが存在すること自体によって、宇宙の真理=仏の働きを表現していると考える。

空海にとって、この宇宙そのものが大日如来であるという。大日如来は、仏像のようにどこかに存在する特別な神様というより、この世界を成り立たせている根本的な真理・生命そのものに近いものである。

 

空海は、当時の日本仏教が抱えていた限界を超えようとし、密教を中心にさまざまな仏教思想を総合した。著者は特に、空海の「即身成仏」という考え方に注目する。これは、遠い未来に仏になるのではなく、この身のままで仏の境地に到達できるという思想である。また、空海は言葉・身体・心の働きを一体のものとして捉え、宇宙そのものを仏の生命として理解した。そのため、人間は宇宙から切り離された存在ではなく、宇宙とのつながりの中で生きる存在だと考える。 著者は、こうした空海の思想が現代人にも、人間と自然との関係を考える手がかりを与えると書いています。

 

 

 

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