アトピー性皮膚炎の病態のひとつとして、皮膚のバリア機能の低下が言われます。
さらに、バリア機能の低下の理由のひとつとして乾燥肌かあり、体質的なもののように言われることもあります。
しかし、実感としては違います。
乾燥は炎症とすでに一体であって、
乾燥→皮膚バリア機能低下→アレルゲン侵入→炎症
のような、原因と結果の関係にはないと思います。
これは、ステロイド外用剤を使った場合に明らかです。
ステロイドを使うと、炎症が治まるだけでなく、皮膚が水分を保って柔らかくなり、乾燥肌も改善するからです。
これは、基材になっているワセリンやクリームの保湿効果のためではありません。
それらを単独で塗っても、保湿にはなりますが、乾燥肌自体は改善しないからです。
また私の場合、強い炎症が起きる前は、その部位が必ず乾燥し、その段階でいくら保湿しても、もうその後の炎症は防げないのです。
乾燥は炎症の初期段階に過ぎないという感覚です。
乾燥肌にステロイドが効くということは、結局、乾燥肌も何らかの免疫異常の結果だということです。
こうしてみると、アトピーはやはり免疫の病気であり、その異常の原因を取り除くほか完治はないということになりそうです。
そして、人の免疫には、睡眠、ストレス、食べ物、気温や季節、運動と、ありとあらゆるものが影響するため、アトピーの治療法とうたうものも千差万別になってしまうのだと思います。
何がその人の免疫に最も大きな悪影響を与えているかを診断できるような方法が確立できれば、アトピー治療はものすごく進歩すると思うのですが、無理なのでしょうか・・・。