『どうすれば愛は長続きするか』(バーバラ・デアンジェリス 著) | 今日も花曇り

今日も花曇り

読んだ本や考えたこと、仕事について。

原著は1987年の出版なので、もう四半世紀以上前の本ということになります。

日本語訳が出た1995年時点でアメリカでは100万部以上が売れていたとのことなので、有名な本のようです。

著者はコロンビア・パシフィック大学で博士号を得た心理学者とのこと。

題名のとおり、パートナーとの愛情を維持するための方法を書いた本です。

今でこそ「恋愛本」は星の数ほど出版されていますが、そのはしりと言ってよいのだろうと思います。

 

正直、この類の本を積極的に手に取ることは今までなかったのですが、私自身が大きな挫折を経験し、何がいけなかったのか、今後はどうすればいいのかいつも悩むようになり、図書館でふと見かけて借りてみました。

 

著者は指摘し、問いかけます。

パートナーへの愛情を維持する方法を、あなたはどこかで学んだだろうか?

自動車の運転や、パソコンの使い方を学んだように。

たぶん、ほとんどの人は学んだことはない。

そんなものは、他人から教えられるものではないと思っている。

 

でも、著者は、パートナーと愛し合うことは、料理をしたり楽器を弾いたりするのと同様の、ひとつの技術なのだといいます。

それを活かすには練習と応用が必要で、長い時間をかけて習得するもので

自分が望む結果に向かって愛を意識的に育てない限り、同じ過ちを何度も繰り返すことになる。

 

確かにそうだと思います。

 

それにしても考えると不思議です。

パートナーシップは生きるうえで非常に重要な要素なのに、ほとんど全く、意識して学ぶ機会は(学校でも、社会人になってからも)ありません。

だからというわけではないかもしれませんが、日本の大学進学率が過去最高になったとしても、人間関係に関する悩みは減っていないのではと思います。

 

どうすればいいのか。

具体的にはいろいろ書いてありますが、私が一番そうだなあと感じたのは、「真実の本音を話し合う方法を身につけること」です。

そのために、自分の感情を我慢したり、無視したりしないこと。

 

これは、すごく難しい・・・。

自分の感情を出したことで相手が不機嫌になったり、逆に怒ったりすると、「ああやっぱり言わなければよかった」と、いっそう傷つき、感情をひっこめるようになってしまいます。

 

でも、それをしなければ、パートナーへの感情は、「抵抗、恨み、拒絶、抑圧」という順に進んでいき、最終的には死んでしまうといいます。

確かに、そのとおりです。

 

「四つめの段階に進むと、無気力が人生すべてに影響を及ぼすようになる。

情熱と活気がなくなり、退屈で無感動になる。

疲れやすくなって気力も低下する。

心の痛みはなんとか押しこめることができても、生きる喜びや刺激も押しこめてしまう。

抑圧はもっとも危険なRだ。

この段階にくると、いまの関係が壊れる寸前なのになんともないと自分で思いこんでしまうからだ。

抑圧されすぎてなにも問題がないと信じこんでいる夫婦をたくさん知っている。

もちろん彼らにはセックス・ライフがほとんどなく、情熱も希望も残されていない。

彼らは自分たちの問題は「もう解決された」と言う。

真相は、感情を抑圧した結果、相手と波風をたてずに暮らしているだけだ。」(第2章2)

 

結婚は人生の墓場だ、というのは、まさに上のような状態に至ってしまうからだと思います。

愛情も技術、ということに、もっと早く気づきたかったと思います。