裁判員裁判でのトラブル | 今日も花曇り

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先日より、初の裁判員裁判の傍聴に入っています。そこで、予想外のトラブルが。その期日に尋問が予定されていた検察官請求の2人の証人が、体調不良のため、当日の朝に2人ともキャンセルになってしまったのです。

諸々の調整を経て、開廷後に検察官が裁判官と裁判員に対して説明したことには、
「大変重要な証人ですので、本当なら期日を延期してでも証人尋問を行いたいところですが、厳密なスケジュールを組んでいる裁判員裁判であることに鑑み、2人の証人に関する証拠調べ請求は撤回します。」
とのこと。

裁判員裁判では、裁判員を拘束するうえ、連日開廷なので、期日を延期するというのは容易なことではありません。刑事裁判では証拠調べの順番も大きな意味を持っているので、証人が体調不良だからといって、先に被告人質問をするというわけにもいかないのです。

今回の証人は、犯罪事実の認定そのものには直接関係しない情状証人でしたし、他の物的証拠もあったので、裁判所外へ出向いての所在尋問(刑訴158条1項)によることもせず、検察官が証拠調べを撤回することが可能でした。それでも、事件の真相という意味においてはかなり重要な立場にある証人であったことに間違いはなく、その証言を聴くことができなかったのは、傍聴していた修習生ももちろん、何より裁判員が残念に思ったのではないでしょうか。

裁判員裁判では、やはり通常の裁判とは大きく違う運営の難しさがあることを実感しました。

今日は、平成22年度新司法試験の最終日でしたね。
受験された方、本当にお疲れさまでした。。。