私のアプローチしている法律事務所の中に、いわゆる右左でいうと、左翼系と思われる事務所があります。個別の訴訟のほかにも、事務所をあげて、様々な社会運動に積極的に参加しているようです。
私自身は、弁護士を目指すくらいですからもちろん政治にある程度関心はありますが、特定の思想を自分の行動の基礎にすえるということはあまりしたくないタイプです。少なくとも、今まではそうでした。だから、このままこの事務所にアプローチを続けるべきなのかどうか、迷っています。
簡単にいえば、中立でいたいということです。ある問題について、最初からどちらの側に立つのかが決まってしまうような枠を自分にはめたくないということです。率直にいえば、その事務所の傾向を知ったとき、そんなふうに感じました。
でもさらに考えてみたとき、「中立」の弁護士なんて誰か必要とするのだろうか、弁護士が頼られるのは、いつだって誰かの「味方」としてではないかという気もしてきます。また、将来もし社会的に注目されるような訴訟や運動にかかわろうとすれば、否応なく自分の立場を明確にしなければならなくなるでしょう。
私たちが所与のもののようにいつのまにか考えてしまっている憲法判例も環境判例も、そのバックグラウンドには社会運動がある場合も多いと思います。判例は使わせてもらう、でも自分ではやらない、という姿勢のままでよいのか、という気もします。
何人かに相談してみたものの、されたほうも、うーん・・・という感じでした。それはそうですよね。最後は自分の判断しかないのですけど。もうちょっと悩んでみます。