日曜日は研修会に参加の為、長野市に行ってきました。
研修の内容は、現代の名工 杉山裕二さんによる外板溶接技法についてでした。
杉山さんは厚生労働省から「卓越した技能者」として表彰・認定されており、黄綬褒章も受賞されているまさにこの業界で先生と呼ばれる方です。
私は今回初めて話が聞けるのでワクワクでした。
研修中の様子。
スミマセン。技術を見ることに夢中であんまり良い写真を撮ってませんでした。(;^_^A
本当に為になる話が聞けて良かったです!
研修会終了後は千曲市のY’sボディーさんへ寄らせてもらいました。
なかなか行けないので電話ではたまに話してますが、いつも長話になってしまいます。σ(^_^;)
小諸市のボディーオート桜井さんもすぐ後から合流しまして、「板金塗装・車体整備とインターネットで情報を発信する事を考える会(仮名)」を開催しました。
みなさんブログを書いたりしていますので、私が勝手に名づけてみました。(^_^)
小林さんには、こだわりのお茶も出して頂きましてありがとうございました。
奥さんにも初めて会えた!o(^▽^)o
色々と話しは尽きないので、なんだかんだで気が付けば21時。
そのまま話しているとお泊りコースになりそうなので帰る事に・・・。
大変おじゃましました。(^_^;)
家についたら23時だったのでこの事は昨日ブログに書こうかと思っていたんですが、昨日は昨日で教わった事をさっそくやってみたくて仕事終わりにおさらいと練習をやってました。
交換済みの捨てる予定のフロントフェンダーを用意して、全部は切らなかったけど長めにカット。
それを溶接で繋ぐ。
歪みが出ないように溶接をする研修の内容だったので。
最初は上手く行ってたんだけど、全部繋ぎ終わった頃には考えていたより歪んでしまった。
やっぱり簡単にはいかないんだよね~。
このブログを読んでくださっている同業の方はきっとこの難しさがわかると思う。
でも一般ユーザーの方は知らないと思いますので、ちょっと説明してみましょう。
まず、鉄板は熱を掛けると延びます。
そして冷えると縮みます。
それはなんとなくわかりますよね。
自動車の外板は薄いんです。
外板とはフレームとか骨格の部分じゃなくてドアとかフェンダーとか外側のパーツの事なんですけど、だいたい厚さは0,7ミリとか0,8ミリくらい。
1ミリもない薄い鉄板だから熱による変化が激しいのです。
研修でも言ってましたけど、本当に生き物みたい。
薄い鉄板の溶接は距離が長くなれば長くなるほど難しくて、何も考えずに溶接して熱を掛けてしまうと最後は大変な事になります。
ウネウネと波打ったり、ベッコリ凹んでしまったり、時には盛り上がってしまったり。
よくユーチューブで「やってみた。」系の動画上げてる人がいるけど、ぜひやってみて欲しい。
素人さんがやり方を知らずに溶接して行ったら、最初は良いかもしれないけど最後はきっととんでもない状態になっているはず。
いや、もう最初からダメかもしれない。(>_<)
経験のあるプロでも歪みを最小限に抑えて溶接出来る人って少ないんだから。
ほとんどはパテ盛って誤魔化しているだけだよ。
私もまだまだ未熟だから、上手く溶接出来るように頑張ります。
でも体が感覚で覚えるには何回も経験して時間が掛かりますから・・・。
そして、最後にボヤキます。
正直なところ、ほとんど歪ませずに溶接が出来るようになったところで何にもならないかもしれない。
それは、求められるものが品質ではなくて値段だから。
当然綺麗な溶接・板金より、鉄板がグチャグチャのままパテ盛って形を作っている板金塗装の方が安い。
安いからお客様はそちらを選ぶ。
見えなくなるところだからわからないかもしれないけど、みんな同じレベルで修理してくれているとでも思っているのだろう。
求められないからそこで働く人たちも努力しなくなるし、向上心もなくなるのだと思う。
「今のままでやれてるじゃん。」って。
まあ、やれてるんじゃなくて上手く誤魔化せているのだけれど・・・。
だからこういった研修会に参加する人が少ないんだよ。
この辺りの地域で今回の研修会に行った人は自分入れて2人だよ。
私が知らない人も居たのかもしれないけど、もっと沢山参加するのかと思ってた。
なんだかそこがガッカリだったな。
確かに、それが出来るようになったところで仕事が増える訳でもお金になる訳でも無いかもしれないけど、私は質の高い物を提供したいと思うから。
素人さんが簡単にマネ出来ないレベルで仕事をしたいから。
そんな事を言ってる私の方が必要とされない人間なのかもね。
現状では必要とされていない方が強いと感じてますから。
私が感じているのは、仕事が溢れるくらいにあるところは、設備や技術でもなく品質でもなく、仕事を取るのが上手いところにあるんだなってことです。
他の業界でもそういうところあると思います。
そっちの方も上手くなりたいけど、根っからの職人気質と言うか、プロ意識が強くて上手くなれないんだな。(T_T)
自分の方向性を見失わないようにしないとですね~。