- デッド・ゾーン〈上〉 (新潮文庫)/スティーヴン・キング

- デッド・ゾーン〈下〉 (新潮文庫)/スティーヴン・キング

スティーブンキング積み本消化第5弾
デッドゾーン(上下巻) 新潮文庫 約750ページ 評価:S
まさか泣いてしまうとは・・・傑作でした。
教師であり、好青年のジョニー・スミスは交通事故で瀕死の重傷を負う。
事故から目が覚めると、5年近い月日が流れており、恋人は既に結婚してしまっていた。
体の障害やあるべき未来を失った代わりに、ジョニーには不思議な能力が芽生えていた。
デッドゾーンはTVシリーズと映画を視聴済みです。
TVの方は原作から変更点があるというのは知っていましたが、
思ってた以上に設定が変えられていてビックリしてしまいました。
原作で特にビックリしたのは、両親が健在、ジーン牧師やブルーノが登場しない、TVでは相棒のような位置づけだったバナーマンが、チョイ役での出演。サラがバナーマンではない男性と結婚している等等。
TV版では毎回事件の断片が見え、それをもとに事件発生を未然に防ぐのですが、ストーリーの出来が良く、毎回ドキドキしながら楽しませてもらいました。
比較的原作に忠実と聞いた映画も見ましたが、印象としては作風がとても暗かったのをおぼえています。
実写版を踏まえた上で、初めて原作を読んだのですが、TVのドキドキ感や映画の暗い雰囲気は
あまり感じられず、ジョニーの優しすぎる性格、悲恋、使命といったものにただただ涙してしまいました。
事故により意識不明だった4年間で失われてしまった未来。
超能力を持ってしまったが故の孤立。
誰にも理解されないのに、使命を全うする精神。
小説を通して、まるでジョニーの人生を追っていた気がします。
もし神がいるなら、何故ジョニーでなくてはいけなかったのか?
何故この好感の持てる人物にこれほどの苦悩を与えるのか?
気が付けばそんな事を考えてしまうほど、主人公ジョニー・スミスに感情移入していました。
TVも魅力的な作品でしたが、原作はまた違う魅力に溢れた作品でした。
この作品に出会えてよかったです。
映画版デッドゾーン
ドラマ版デッドゾーン
次はキャッスルロックが舞台で、バナーマンも登場するクージョを読んでみます。
- ダーク・ハーフ〈上〉 (文春文庫)/スティーヴン キング

- ダーク・ハーフ〈下〉 (文春文庫)/スティーヴン キング

スティーブンキング積み本消化第4弾
ダーク・ハーフ(上下巻) 文春文庫 約700ページ 評価:B
荒唐無稽な話ですが、それでも一つの物語として成立させてしまうのは流石だなと思います。
売れない文学作家が別ペンネームで書いた暴力的な小説。
それから数年後、自分本来の作品を書くべくそのペンネームを葬り去る。
それが悪夢の始まりとなる事を知るはずも無く・・・
実体を持たないペンネーム、ジョージ・スタークが肉体を伴って蘇り、次々と殺人を繰り返していきます。
実体を持たないものが殺人を行なうと聞いて、きっと荒唐無稽な話と思うでしょうが、
ダーク・ハーフに登場する人物達も同様に、主人公の語るそんなばかげた話が信じられず、
ほとんど理解者を得られないまま事態は悪化して行きます。
そりゃあ理解してもらおうというほうが無理ですよね(笑
恐ろしいまでに凶暴で、なおかつ冷静な頭も持ったスタークとどう対峙していくのか。
徐々に追い詰められていきますが、それでも心が折れない主人公には強さを感じました。
ラストの展開は超自然的で、圧巻の一言。描写が鮮明で容易にそのシーンが想像でき、それがまた不気味でした。このシーンが圧倒的過ぎて、他の部分がかすむほど強く印象に残っています。
また、ちょっと異様な表紙のイラストは最後まで読むと意味が理解できます。
物語の中で、それほど強烈ではないですが、気持ち悪い描写があったり、次々に殺人が起こるのでホラーというよりスプラッター風味が強かったので苦手な方はご注意を。
キャッスルロックの保安官、アラン・パングボーンが登場です。
僕が読んだ順は逆でしたが、こちらが初出です。
アランにとって、このダーク・ハーフでの事件がニードフル・シングスでゴーントに立ち向かうための重要な経験になったのだと思います。こういう風に、他の作品で活躍したキャラクターが登場するというのはなかなか味わえない楽しさなので、読んでいて面白いです。
映画版ダーク・ハーフ
次はアランが赴任する以前の保安官、ジョージ・バナーマンが登場するデッドゾーンを読んでみます。
- ニードフル・シングス〈上〉 (文春文庫)/文藝春秋

- ニードフル・シングス〈下〉 (文春文庫)/文藝春秋

スティーブンキング積み本消化第3弾
ニードフル・シングス(上下巻) 文春文庫 約1300ページ 評価:S
面白いです!最初から最後まで楽しめる作品でした。
骨の袋が読み終わってからすぐ読んだんですが、休みの間に一気に読み進めてしまいました(笑
田舎町に開店した骨董屋「ニードフル・シングス」
ここでは、欲しくて欲しくてたまらない商品が格安で手に入る。
条件はただ一つ、店主の言ういたずらを実行するだけ。
読み始めて、3つ目にして始めての評価Sです。
悪意に満ちた店主、リーランド・ゴーントが街に店を構える所から
物語が始まるのですが、非常に上手く話が展開して止め時がわからないくらい面白かったです。
商品を買う際に頼まれる、いたずらの一つ一つはたいしたことがないのですが、(たいしたことないといっても、これから起こる出来事に比べれば、というレベルで後半になるにしたがってどんどん悪質なものになっていきます)それらが連鎖する事によって、街に悪意がばら撒かれ、やがて、街は取り返しのつかない事態にまで進展してしまいます。
心の底から欲しい商品が目の前にあって、しかも価格は信じられないくらい安い。
ただ欲しいだけじゃなくて、それが大事な思い出や心の支えに繋がるものばかりなので、
街の人々が取ってしまった行動も理解でき、それを巧みに利用するリーランド・ゴーントという人物が怖く感じられました。もしこの店主が街に現れたら、現実でも小説と同じような展開になるんじゃないかな~と思います。
この街の保安官、アラン・パングボーンがひとりこの事態に立ち向かうのですが、
文字通り本当に孤軍奮闘で、どうなっていくのか本当に先が気になって仕方ありませんでした。
セル、骨の袋と読んできて、それぞれ物語が一気に加速するシーンがありましたが、
この作品では、冒頭からアクセル全開といった感じで、怒涛の勢いで物語が展開していきます。
キング積み本の中でも特に読んでみたい作品でしたが、予想を上回る面白さで大満足でした。
映画版ニードフル・シングス
キャッスルロックが舞台の作品を読んでみよう!と思ったのもつかの間、
どうやらこの作品はキャッスルロックでの物語が終わる総決算的な物語でした。
読む順番完全に間違えた・・・(笑
調べてみると、キャッスルロックが登場する作品は思いのほか多いみたいです。
折角調べたので、以下に記しておきます。*wikipediaを参考にしました。
キャッスルロックを舞台とした作品 *物語の一部もしくは全編含む
デッド・ゾーン
クージョ
スタンド・バイ・ミー (収録:『恐怖の四季』)
オットーおじさんのトラック (収録:『神々のワードプロセッサ』)
ダーク・ハーフ
サン・ドッグ (収録:『Four Past Midnight』)
ニードフル・シングス
丘の上の屋敷 (収録:『ナイトメアズ&ドリームスケープス』)
キャッスルロックが言及される作品
地下室の悪夢 映画作品
ノーナ (収録:『ミルクマン』)
トッド婦人の近道 (収録:『ミルクマン』)
おばあちゃん (収録:『ミルクマン』)
ジェラルドのゲーム
トム・ゴードンに恋した少女
骨の袋
黒いスーツの男 (収録:『第四解剖室』)
ライディング・ザ・ブレット
ザ・スタンド
多数のキャラクターが出演する群像劇ですが、保安官アラン・パングボーンはダーク・ハーフ、チンピラのエース・メリルはスタンド・バイ・ミーでも活躍しているそうです。
また、ニードフル・シングスでは活躍こそしないものの多数のキャラクターが言及されているそうです。
う~ん、キング作品は奥が深いですなぁ~。知っていれば、要所要所で「ニヤリ」と出来たんだろうな(笑
折角アランの大活躍が見れたので、次もアランが登場する作品を読んでみようと思います。
ということで、次はダーク・ハーフ。
*追記 この作品内で、クージョに関する完全なネタバレがありますので、できればクージョを読んだ後にこの作品を読んだほうがいいと思います。