スティーブン・キングが書いた小説において、その世界はいくつもの作品で共有されてます。
多くは、ゲスト出演やちょろっと名前が出てくるだけというもので、知らなくてもそれほどの影響はなく十分楽しめるので、読む順番は特に考えなくても問題ありません。
ただ、僕が読んだ中で、ニードフル・シングス、デッドゾーン、クージョの3作品は例外です。
これは、クージョの完全なネタバレがニードフル・シングスで、クージョではデッドゾーンで起きる連続殺人犯についての記述があるためです。
ニードフル・シングス内でのクージョについての言及では、誰が死んでどうなるのかまで判ってしまいます。
さらに、クージョではデッドゾーンで解決する事になる連続殺人犯の名前が出ており、デッドゾーンを読む際誰が犯人なのかという楽しみが完全に失われます。
またデッドゾーンを先に読み、この人物がどれほどおぞましい事をしたのかがわかった上でクージョを読むと関連部分がより深く味わえると思います。
以上を踏まえると、デッドゾーン、クージョ、ニードフル・シングスの順で読めば、楽しみが損なわれる事なく、物語をより楽しむことが出来るかと思います。
ただ、キャッスルロックを舞台にした作品は他にもあり、ニードフル・シングスはその最後の物語になるので、その点だけご注意を。
世界を共有する事で、色々な楽しみが増える反面、こういった弊害も出てしまうんですね。
まだ他にもたくさんあると思いますが、判り次第、書いていきます。
- クージョ (新潮文庫)/スティーヴン・キング

スティーブンキング積み本消化第6弾
クージョ 新潮文庫 約450ページ 評価:D
なんとも後味の悪い作品。読み返すことはないと思います。
それにしても、インパクトの強い表紙でした(笑
狂犬病に冒されたセント・バーナードのクージョ。
記録的な猛暑の中故障した車に閉じ込められた母子。
猛獣となった犬が車の外をうろつく恐怖。
デッドゾーンという素晴らしい作品を読んだ後では、
本当に同じ作家さんが書いたのか!?というくらい落差が凄まじいです。
評価S→評価Dですからね(笑
ゾンビや、亡霊といった超常現象的な恐怖ではなく、狂犬病を発症した大型犬という
非常に現実的な恐怖が描かれています。この犬200ポンドの重さがあるということでしたが、
ポンドではいまいちピンと来ないので、kgに直したところ約90kgという事でした。
90kgの狂犬病の犬・・・考えただけで怖いですよね・・・
炎天下の中車が故障し、その車の外には狂犬病の犬クージョがうろついています。
以前ネットで、テントの周りを熊が徘徊していたという記事を読んだ事がありますが、
それに似た、場合によってはありえるような状況は読んでいて怖かったです。
また、車の中に閉じ込められるという状況がなんともいえない閉塞感を感じさせます。
極限の恐怖というのは読み応えがありますが、いかんせんラストが暗すぎました。
読んだ後暗く沈んでしまうような小説は大嫌いなので、残念ながら評価Dとさせて頂きました。
個人的に訳者さんの日本語への翻訳の仕方があまり好きではなかったこと、登場人物の不愉快な行動や性格が多く目に付いた事もマイナスでした。
クージョ映画版
狂犬病って、実際どんな病気なんだろー?と軽い気持ちで調べてみると、予想以上に致命的で恐ろしい病気で驚きました。世界では年間約5万人がこの狂犬病で亡くなっており、いまだ確実な治療法が確立していない病気です。致死率はほぼ100%。感染後、助かったのは記録に残っている限りではたったの6人のみ。しかも、回復後も言語障害や身体にも障害が残っているみたいです。
流行地域はほぼ全世界。日本は数少ない狂犬病清浄地域のようです。
クージョ自体は全く僕の好みではありませんでしたが、狂犬病に関して認識を改めさせられたのは良かったかな。
この作品、デッドゾーンでの人物や事件が度々言及されています。
いきなり冒頭1p目から言及されていました(笑
一応読んでいなくとも問題ありませんが、もしこれを読む前にデッドゾーンを読んでいればより深く物語が理解できます。
アラン、バナーマン繋がりで本を読んできましたが、次はニードフル・シングスで大活躍(?)してくれた
チンピラのエース・メリルが登場する作品を読んでみたいと思います。
ということで、次は恐怖の四季 秋冬編 スタンド・バイ・ミーです。
スティーブン・キング作品は、多くが実写化されています。
折角こうして、各作品を読んで感想を書いているので、
今までに紹介した小説原作のTVドラマ版、映画版の予告編動画を追加してみました。
興味を持って頂ければ幸いです。
折角こうして、各作品を読んで感想を書いているので、
今までに紹介した小説原作のTVドラマ版、映画版の予告編動画を追加してみました。
興味を持って頂ければ幸いです。